時計と謎

猿山 登校拒否

いま何時?(済)

 しまった。時計を壊してしまった。

 ある月曜日、男は強く落胆した。貯金を貯めて買った腕時計を壊してしまったのだ。何年も待ちわび、これからの人生の相棒となる予定であったため少しの間ショックでご飯も食べられそうにない。サラリーマンの男は買う前から同僚に自慢しており、その事実も男を後悔させていた。

「買ったら早く見せてくれよ。」

同僚の言葉が耳に残っている。

 

 しかし、一体どこで壊したのだろうか。

男は昨日会ったことを回想した。


 太陽が青空に散々と輝く日曜日、男は窓から差す朝日で起きると同時に、買ったばかりの腕時計を暫しの間堪能した。そして、満足すると枕元の時計を身につけた。

「よし今日は一日中こいつと一緒だ。」

 そう呟いて長い1日が始まった。


 その日は友達と遊ぶ予定もあり、支度をするとすぐに家を出た。その時、腕時計は9時を指していた。滞りなく動いていることを確認し男は待ち合わせ場所へ向かった。


 約束をしていた友人と駅前で会うと、映画を見に行こうと近場の映画館へ向かった。すると映画館が爆発した。なんだ、今日はついてないなぁと友人と笑い合い、ボーリング場行くと老朽化で半壊した。いよいよ笑いが止まらなくなり、二人で笑い合いながら、買い物をして帰ろうとしたらテロが起こった。銃を持った黒ずくめの男達がショッピングモールを占拠する中、男と友人は必死に笑いを堪えるので大変だった。一悶着ついた後、今度は何か起こるだろうかと話しながら飯を食べたが何も起きなかった。その後は家に帰り風呂に入り寝ただけだ。


 あれだけ変なことがあったからその際に壊れてしまったのだろうか。しかたがないと思って腕時計をもう一度見たとき、男はやっと自分の失敗に気づいた。

 

一体何故だろう。







※答えは筆者の作品の「時計と謎 解答編」

にあります。すぐ知りたい方は下から。


https://kakuyomu.jp/works/16816700426284658782/episodes/16816700426285020698


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