Welcome to the End

「円卓の騎士って知ってる!?」

 ――四歳年下の妹の華菜は、高校の部活から帰ってくるなり俺の部屋に乱入してきた。買ったばかりのセーラー服のリボンを揺らしながら、やたらと興奮したような顔をしている。

「え? いきなり何だよ」

「いいからいいから!! 知ってるの、知らないの!?」

「……まぁ、名前ぐらいは聞いたことあるけど」

 本当に名前を少し聞いた程度で、詳しいことは全く分からない。……そもそも、華菜は何でそんなこと聞くんだ?

「本当!? なら、お兄ちゃんも投票に参加して!!」

「は? 投票?」

 「円卓の騎士」の次は「投票」? 何が何だかサッパリだが、もしかしてアニメの話か?

「今ね、円卓の騎士の投票期間なの! せっかくだから、お兄ちゃんも好きなキャラに投票してみて!」

「えーっと、それはアニメか何かの話か?」

「アニメじゃなくてゲーム! ねぇねぇ、ちょっとパソコン貸して!」

「あっ、おい!」

 ちょっ、勝手にファイルを閉じるな!! 今レポート書いてたんだぞ!?

「……はい! このサイトで投票できるから、今すぐ投票して!」

 今すぐ投票って……。全員知らないキャラなんだが……。

「俺、何も分かんないだけど……。華菜は投票したのか?」

「もっちろん! 推しに一票入れたよ!」

 ふーん……。とは言え、華菜の推しなんて知らないけどな。

「お兄ちゃんがどのキャラ選ぶのか、ちょっと気になっちゃって! 適当でいいから、とりあえず投票してみて!」

「て、適当でいいのか……?」

 一応、ザッと画面をスクロールしてみる。合計十人で、全員男子キャラ。うーん、全然分からん……。

「本当に、適当でいいんだな? 直感で選ぶぞ?」

「いいよー! 投票人数は多い方が盛り上がるし!」

 そんなもんなのか……? まぁ、早くレポートの続き書かないとだし、さっさと決めちまうか。

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