称号｢分解者｣はなにかと便利です。

第42話 何気無い普通の質問が……こんな事になるなんて。

そ、その質問を……今！ここで！しますか……！

多分この獣人の人、わかってるんだ。僕が………

家族（姉様）のせいでろくに婚約も結べない、と！

「…………。」

「…あの……返答は……？」

この申し訳なさそうな目。多分悪意は無いんだろうけど………⁉︎

いいや待てデコル！瞳の奥を見ろ！そうすれば分かるはずだ！

ジィィィィィィィ……。

「へっ⁉︎ひゃっ……その………プシュウ…。」

あれ？倒れちゃった……倒れちゃった⁉︎

「大丈夫ですか⁉︎」

急いで様子を見に行こうとしていたらすでにエルさんがなんとかしてくれていました。

「エルさん、大丈夫そうですか？」

「はい、興奮のしすぎですね。原因がはっきりとしているのでわかりやすかったです。」

原因……僕⁉︎何かやったっけ……。

「で、実際どうなんですか〜？」

「あ、そうだった。まだちゃんと聞けてない！」

そしてまたざわざわとしていく。

「ぇえ⁉︎えぇっと………そのー…………。い……、」

「「「「い？」」」」

「………ま……………？」

「「「「ま〜〜〜〜？」」」」

「せn「います。」エルさん⁉︎」

急に割り込んできたエルさんはそっと僕に耳打ちしてきた。

「私に考えがあります。少しお静かにしておいてください。」

「あ……うん。……わかった。」

「えー皆様。期待を裏切るようで悪いですがもう居ます。」

「「「「えーーーー。」」」」

「じ、じゃあ、その人の名前くらい教えてくださいよぉ〜。」

その質問を受けたエルさんは、とんでもない爆弾発言をした。

「私です。」

「「「「「え？」」」」」

「だから私です。」

「「「「「……………えぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」」」」」

「どどどどどどうゆう事何ですか？これは一体ぃ⁉︎」

「大丈夫です。ここは私に任せてください。」

「も、もう不安になってきたんですけど……？」

「いいですかみなさん。今だから私はこのような格好をしておりますが、本当はある貴族です。階級も差は広くありません。身分の差の問題はクリアしています。それに私はこの方に助けられた恩もあります。」

じょ、饒舌になっていってない？何か喋るスピードも早くなって…。

「そもそも私がこの方の事を愛していますし、私の親族の問題もクリアしています。あとはただデコル様が私に堕ちてくれればそれで……………（ブツブツブツブツ）」

「「「「「…………………………。」」」」」

うん。最後らへんになってから急に意味がわからなくなったね…。何言ってるかも早すぎて聞き取れなかったし……。

それを聞いてなぜか集まっていた女性たちの顔からサァーっと血の気が引いていく。

「あれ？皆さんどうしたんですか？顔色悪いですよ？」

「い、いえ。少し……ショッキングだったもので……デコル様はその……大丈夫なんですか？」

「え？僕は普通ですけど……。どうかしました？」

「…………。え、えと……その……やっぱり何でもないです。」

どうしたんだろう？

僕はそう思いながら屋敷に帰った。

「種まきの始まりです。有益になりますように。クフフフフフフ♡」

＊これにて一章終了でございます。短くてすいません。次章はもっと長くしていくのでご勘弁を……何卒、何卒っ！