第32話 異常
SIDE:デコル
殺す覚悟はもうできた。始めよう。もう2度と、シャルルさんのような犠牲を出さない為に。今しがたわかったことだが、分解は今となっては手に触れなくとも分解が出来るようになったらしい。射程範囲はあるようだが、十分だ。この能力で僕は、世界にとってのゴミを分解しなくちゃ!
「おい、お前……なんで急にそんなつまらねえ目をしてやがる…。さっきみたいにいい色の目をしろよ。つまらねえだろ。」
「戦闘を遊びにしているのか?お前は…。」
「いいや、遊びにしてるつもりはないね。ただ普通にいい戦いをしたいだけだ。普通に戦闘はちゃんとしたい。相手に失礼だ。」
「……じゃあお前は戦闘はあくまでも神聖なものだと?大切で、礼節を重んじるモノだと?」
「あぁ、まぁそうなるな。」
「じゃあ何故シャルルさんを巻き込んだ。」
「は?生きてるじゃねえか。」
「戯言を言うなっっ!!!」
「………。やっぱりおかしい…。どうした…お前…。」
どうした……だと?この男が引き起こしたことについて?本当にそう思っているのか?
巫山戯るな。
「……もういい。お前はここで
__________________________________
SIDE:バイド
やっぱり曇ってやがる。さっきまでのこいつから、こんな言葉が出てくるとは思わなかった。
しかも、この反応を見るに、誰かに幻惑を見せられているのか?でなければあの……シャルルといったか……シャルルとかいうやつのことを正しく見れているはずだ。それなのにあいつはハッキリと死んだ、といった。つまりこの状況を正しく認識出来ていない可能性がある。
問題は術者がどこにいるかだ。デーブルの野郎はこんなことが出来ない。じゃあ他の……兵士たちでもない。この結果から推測するに……
どこかに『極点』以上のヤベエやつがいるっていう可能性がある。しかも俺ならまだしも、まだなりたてのガキにレジストできるはずがねえ。これだけの悪条件が揃うなんてな…。面倒くせえ…。
あいつが戻ってくる方法。術師がどれほどの腕によるかにもよるが……これだは確実にレジストさせることが出来る。だが、その為に必須になってくることがある。
_________________________________
SIDE:シャルル
「おい、お前。元のあいつに戻したいか。」
急に、バイドというやつからこんなことを聞かれた。
「当然……。当たり……前…。大事な……後輩……。」
「……なら、少しキツイだろうが、この状況を切り抜ける方法がある。……どうする?お前が協力してくれりゃほぼ確実にあいつが元に戻る可能性が出てくるんだ。」
「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
「チッ、1分後だ。1分後に答えを言え。そこから作戦を伝えるから、そこでこいつを取り戻す。」
そういって、遠距離から攻撃をしていくバイド。
そんな質問。答えはとうの昔に、いや、最初から決まっている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます