第468話 賤族侵攻

 俺は、どの程度難民が流入しているのか、

ヤシリギ共和国とジンギギスタンの国境を確認しに行った。


 ヤシリギ共和国の砦みたいのは、どうやらもう賤族に落とされており、

東洋系の人間が守りを固めていた。


 ヤシリギ共和国とジンギギスタンの国境を守っていたのは、

ラリス・アトラス辺境伯とかいうやつらしく。


 当初は、内部密通がおり、武器を横流しされてしまったと、

部下のせいにしたが、実際は政治に関与せず、

舞踏会パーティと晩餐会に金を注ぎ込んでおり、

王家より貸与された武器も、全部売ってしまっていたらしい。


 ジンギギスタンの内戦で、自分は高みの見物をしていたのだが、

特権階級の両族に、最下級の賤族が、ヤシリギ共和国に、

押し出される形となって攻め込まれたみたいだ。


 両族が陣取ったのが、モルゴン側だったので、

結果賤族がヤシリギ共和国側に押し出されたが、

逆だったら、モルゴンが危なかった。


 自分が売った武器で、逆に攻められ負けてしまったらしい、

なんともあほな話だ。


 辺境伯の遺体が確認できていないので、絶賛逃走中みたいだ。


 事態を重く見たヤシリギ国王は、同盟国であるうちに、

助けを求めてきたというのが、どうやら本当のとこらしい。


 なんと図々しい事に、武力で占拠しているにもかかわらず、

賤族は同盟を提案してきている。


 一緒にジンギギスタンと戦って、我らが勝てば、

この領地はお返しすると言ってきているらしい。


 うちの経済連合の、

ヤシリギ共和国サリラ辺境伯領主、ニコス・マフテスと、

ヤシリギ共和国リンド郡子爵領主、マーキ・コルゴスに、

徴兵か献金かを選ぶ勅命がやってきた。


 おいおい、聞けばラリス・アトラス辺境伯の領地を、

占領しているのは、3000人位らしい。


 そんなのは、ヤシリギ共和国聖騎士団だけで何とかしろと、

思うのは俺だけであろうか?

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