第211話 アレーナの雑貨屋

 私の名は、マリア ・ロドリゲス、アレーナ港町で雑貨屋をやっている。


 旦那は、昨年流行病で亡くなっちまった。今じゃ母、娘の2人暮らしさ、

店を手伝ってもらうのに、2人の奴隷を雇い入れた。


 ここのところ町が慌しい、それも近くにセブンスターダンジョンていうのが出来てからだ。

ダンジョンが近くに出来ると、町が発展すると言われているけど、

確かに、町が賑わって来た。


 最初は、こんな南国だから、すぐ潰れちまうよ、との噂だったが粘っている。


 その後、領主の娘、タチアナお嬢様が、

そのダンジョンの敷地に学校を作ったと噂が飛んできた。


 孤児院もそっちに引っ越して、なんか立派になったらしい。


 さらに、そのダンジョンの敷地には、立派な建物が建ち始め、

その中でも一番立派なところで食事が出来るらしい。


 なんでもレストランとか言うそうで、週末の土・日は招待券があれば、

なんでも無料で豪華な食事が食べられるらしい。


 その噂はどうやら本当で、うちの店にも金のスプーンや金のフォークを持ってくるやつがいた。

それには刻印が入っていて、ギルドじゃ買い取り不可らしい。


 あたしは足元をみて、めいっぱい安値で買ってやった、普通なら1万ドラ以上はする品を、たった千ドラで買ってやった。


 そしたら、その後も金のスプーンを持って人、来るわ来るわ、

こりゃダンジョン即、破産だと思ったが、翌週も無料食事会は開催された。


 しかも、ダンジョンと町を繋ぐ道は整備されて、豪華な馬車まで走り出した。


 学校関係の噂も入ってきた、なんでもタチアナお嬢様が学園長で、

名前はタチアナ学園、なんと授業料無料、しかも、朝と昼の食事付き、

うちの領主さん太っ腹すぎ。


 豪華な馬車の送迎も無料で、しかも安全のため冒険者が護衛につく、

最近では、子供たちを学園に通わせるのが、流行となっている。


 うちも、店の戦力減るのは痛いが、将来読み書き計算ができれば、

店の跡を継いでもらうことも可能だ、娘も行きたがっていたし即入学だ。


 学園から帰ってきた、娘オリビアが、興奮状態で喋り始めた。


 「おかあさん、あそこすごいよ、食事美味しいし、

用足しがポットンじゃないんだよ」

 「中もすごく綺麗だし、今度おかあさんも一緒に行こう」


 つづく。


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