第195話 大三元の難民
もう一つの事案は、俺の方からだ。
最近、大三元帝国の難民が増えているそうな、
幸い、このルガトルポ公国は、地理的に遠いこともあって、難民の流入はない。
ただ問題は、俺がポンシェダンジョンを潰してしまったせいとも言えなくはない、
嘘つき教団はどうでもいいが、罪のない子供たちが巻き添えになっているに心が痛む。
そこで、領主と元孤児院院長の意見を聞きたいと思った訳だ。
「星野さんの意見は、よくわかったわ、でも距離も遠いいし、
言葉も違うし、なにより宗教が違う」
「幸い、この国の宗教は、かなり寛大で自由だけど、
他の国の宗教は舐めないほうがいいわ」
「子供の頃から刷り込まれて、中々考えを改めさせるのは難しいわ」
「その子供たちには悪いけど、運命だとして諦めてもらうしかないわね」
俺は思った、すべての人を幸せにすることは出来ない、
なぜなら、人の不幸をみるのが、至上の幸福だと思っている輩がいるからだ。
どこまで、幸福にすることが俺にはできるかわからないが、
生きて夢を追うのが罪ならば、神が定めた運命も越えよう、
真実の扉が開く日まで。
どこの誰だかわからないが、俺にこんな能力をくれたやつのために!
こうして、俺は大三元帝国へと足を向けた。
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