第165話 コロナウィルス

 北の国、アビトラで、流行病が発生した。


 この星の人たちは、流行病に対しては、非常に敏感である。


 流行病はやりやまいで何度も、星の危機に至ったから、国家、宗教を問わず連絡が各国に入る。


 流行病が出た村・町は完全封鎖ロックダウン、隣国も出た村・町への往来は禁止である。


 この禁を破ったものは、ほぼ例外なく死刑である。


 どこかの国の「外出は控えましょう」とは大違いである。


 俺は、またまた協会に呼び出された、この流行病を止める方法を知っていないかと。


 俺は何でも屋なのか?


 しょうがない、行ってやるか、この星の衛生状態はよくない、コレラとかだと非常に困る、

俺のビキニねーちゃん、闊歩計画に支障が出る。


 とりあえず、俺は協会に来た。一応どんな症状か聞いてみた。


 おもな症状は発熱、空咳、倦怠感らしい。


 やーな予感がする。


 バリビューンさんが、俺に尋ねてきた「博識の星野さんなら何か知っているかと思って」


 「とりあえず、現地に行って見ないとわかりませんね、心当たりはありますけど」


 俺は、バリビューンさんから場所を聞いて、そこへ飛んだ。


 そこはアビトラ国の小さな村だった、名前はガリと言うらしい。


 完全封鎖されているが、俺ならば入ることが出来る。

 

 村に入ると、すべての家々は硬く扉が閉ざされており、シーンと、静まり返っていた。


 俺は咳のする、家へ無断で入っていった。


 「あんた、どこから現れたんだ」看病している男から声が掛かった。


 横たわっている女の人は、グロッキー状態で咳をしている、多分奥さんなんだろう。


 「俺は、ダンジョン協会から派遣された、ダンマスだ」

 「患者を診させてもらう」


 ち、こりゃまずい、やっぱりコロナじゃないか!!


 「エリクサー何万本いるんだ・・はあ・・」


 まてよエリクサーの中に、ウイルスの治療プログラムあったな、


 宇宙に存在するあらゆる物質にはそれぞれ固有の周波数があり、その周波数は決まっている。


 ウイルスが特定の周波数の光を当てることによって共鳴発光することが知られている。


 コロナのRNAゲノム数は約29900塩基。


 たぶん共鳴発光数は、220nmから260nmあたりなのか?、


 ということは、共鳴発光のシステムからウイルスを破壊できる可能性のある周波数は、

220nmから260nm紫外線ではないかと推察される。


 まあ近似値なら効果はあるはず。


 222nm紫外線は人体に無害なので、とりあえずこいつだな。


 222nm紫外線でウイルス・細菌を不活化できるのは、

遺伝情報に基づいてタンパク質を合成するリボ核酸(RNA)に損傷を与え、

複製による増殖能力を失わせるからである。


 RNAは、大ざっぱにいえば、

塩基・糖・リン酸から成る化合物(ヌクレオチド)が鎖状に結合したものである。


 この鎖上において、チミン塩基(T)同士やシトシン塩基(C)同士、またはTとCが隣り合う部分では、

紫外線によってこれらの塩基が結合し、シクロブタンピリミジン2量体を形成する。


 そうなると、RNAを複製できなくなる。これが、不活化の原理である


 ウイルスのいる場所はわかっている、肺だ。


 俺は、肺の中に222nm紫外線の光源を肺の中に、パーティクルドーンしてやった。


 多分2・3秒でいいのだろうが、一応10秒照射してやった。


 患者は、みるみる回復していった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る