レディメイド

南莉花

第1話 lonely


カチャ…。








あぁ…いらっしゃいませ。






何になさいますか?









…?









ではお飲み物は?









…では何をお望みでしょう?









独りの少女が花の座る座席に呟く。

水が足りないのだろうか。

下を向いて色がくすんでいる。

よく見えないがあれは黒いバラだろうか?

いや、黒にしては少々色が鮮やかに見える。

元々は違う色だったのかもしれないがその原型は留めていない。


勿論花に何を語りかけようが返事の一つ返ってきやしない。

刹那、沈黙が大きな空間に響き渡る。







それから少女は花と向かいの席に座ろうとするも、何を思い直したのか座るのをやめ、地べたに座り込んだ。











今日も彼女はこの檻という名のレストランで



独り



忙しなく働く。

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