第32話 ザマアの行方は割と堪えましたことよ
今回の告発により、フェルナンド様は騎士の資格永久剥奪と、横領した金額分の返済の為に国の外れのダイヤモンド鉱山へと強制労働に向かわれることとなりました。
返済分の金額がかなり多かったことから、フェルナンド様が中年男性になる頃までは出てこられないそうです。
どうか心を入れ替えてくださることを祈るのみですわ。
それに憲兵隊に逮捕された際、婚約破棄と同時に既に勘当をして居た為に、ブルレック辺境伯家にお咎めはなく(きっと国王の意向もあったのでしょうね)、私もアルフォンス会長もホッと安心いたしました。
お義母様とモニクはお父様の脱税を知りつつ隠蔽し恐喝、その上お母様の毒殺を教唆した罪で強制労働を強いられる終身刑となりました。
我が国で脱税は大変な重罪で、殺人教唆まで重ねても死刑にならなかったのは、アルフォンス会長や辺境伯様の計らいなのだとフォスティーヌ夫人がおっしゃっておりました。
たとえ血は繋がらないお二人であっても一時は家族として過ごした人たちですから、死刑を免れたことには密かに安堵いたしましたの。
それでも、豪奢な生活が当たり前だと思ってらっしゃるお二人には、労働も質素な生活もとてもお辛いことでしょうね。
それでも、どうか生きて罪を償っていただきたいですわ。
最後に、脱税とお母様の毒殺をなさったお父様ですが……痩せた領地へ『加護』をもたらす為国王からの下命での政略結婚だったにも関わらず、自己中心的な理由によってこの国では特別な存在である『加護を引き継ぐ者』を手にかけたという罪で斬首刑が言い渡されたのです。
あんなに存在感が薄くて、邸内では一番無害だと思っていたお父様が、卑劣な大罪を犯していたなどと思いもよりませんでしたわ。
「私の大好きなお母様、ただ『加護を引き継ぐ者』としてお役目を果たされて。何も悪いことはしてらっしゃらないのに何故亡くならないといけなかったんですの。」
様々な思いが交錯して、しばらくの間私は寝込んでしまいましたのよ。
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