光へ、と時を辿って

サトウ・レン

プロローグ

 真っ暗な世界にわずかな光が見えた。

 僕は過去へと向かう電車の中で揺られながら、

 一九九〇。旅立ったのは、遠い記憶の中にしかなかった時代だ。僕たちは中学三年生だった。

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