第13話

王都城門前の関所は、あっさり通過出来た。

ジムニ○は、改造魔導車、私と夏ちゃんは、王都で唯一のオリジナルのチョコパ○とチュー○を商っている店のオーナーの若松君が、他国で雇った店員で、若松君は他国へ数年商売で出ていて大都へ戻って来たと言う触れ込みだ。

門番の獣人さん達に、こちらではまだ売られていない味のチュー○とチョコパ○を夏ちゃんの収納から出して貰い、袖の下として渡したのが効いた様だけれども。


馬車や東南アジアの3輪トラックみたいな魔導車が行き交う大通りをジムニ○で走る事、数分。

巨大な建物の前にジムニ○を停めた。


「ここが若松君のお店?デッカいねぇ。大きさだけなら16号線近くの倉庫の店も同じ位だけど」

私がジムニ○から降りると、開けたドアから2匹もスルリと降りてくる。


「さて、姪っ子が産まれ、地球に渡ってから約5年。手紙と商品や金品のやり取りは続いて居るけども、僕の事を皆、覚えているかな?死んだ事にされてたら夏ちゃんの魔法陣で魔素に還して貰おうかな、フッフッ」

店を見上げる若松君が不穏な言葉を呟く。


それを聞いた私が

「若松君も結構、鬼畜な考えしてるね?私の事、言えないよねー」


ビックリした顔の若松君が

「エッ?秋ちゃん。僕、今ルナティックの言葉で独り言を言ったのに解ったの?なんで?夏ちゃんは、魔石の思考制御で理解出来るから、秋ちゃんの通訳をして貰おうと思っていたけど」


秋ちゃんは、看板の文字や近くの露店の値札等を眺めてから

「言葉は、大体解る難しい文字は読めない。値札の数字は解る。何でかな?」

首を傾げる秋ちゃん。


「うーん、人に寄ってはそう言う翻訳系スキルが有るんで。こちらではそれ程珍しく無いんですが・・・ゲートを渡って、そう言うスキルが秋ちゃんに生えたのかな?まあ、便利なんで良いでしょう。では、グリーンホッパー王都本店へようこそ」

と若松君が重厚なドアを開けた。


若松君達が店の中に入った後、丁度、通り掛かった黒い犬耳と黒い尻尾意外は、ほぼ人に見えるの犬の獣人の女の子が、ジムニ○の運転席のドアノブに顔を近づけて

クンクンと匂いを嗅ぐと

「懐かしい・・・昔、急に現れて急に消えた『アキ』の匂いがする」

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