化け物バックパッカーOMNIBUS26

オロボ46

序章



「コンナ姿デモ、問題ナイサ」




「問題あるだろう。俺は平気だが、“突然変異症’’で変化したその姿を他人に見られてみろ、あっという間に大騒ぎになるぞ」




「“坂春サカハルクン”、モウ少シソノボケタ頭ヲ活用シタマエ。君ハ数学ノ文章問題ヲ2秒デ飛バシテイルヨウナモノダゾ」




「なんだそれは、ハロウィーンの余り物か?」




「確カニソノ使イ方モデキルガ、モット有効的ナ効果ガアル。着テミロ」




「……ただの中から外の様子が見えるローブじゃないか。不思議と暑くないが」




「モットフードヲ深ク被リタマエ。ホラ、姿ノホトンドヲ隠セテイルゾ」




「……余計怪しいだろ、これ」




「ワガママイウナヨ、姿ヲ隠スニハソノ形ガ一番ナンダゼ」




「そういうものか? それはいいとして、これを俺に渡してどうするんだ」




「ナア坂春、コレヲ見知ラヌ“変異体”ニ与エテクレ。ソシテ1日ダケ一緒ニ付キ添ッテ、使イ心地ヲ聞イテキテクレナイカ」




「……報酬は?」




「友人ノオツカイニ金ヲカケルナラ、研究所ノ設備ニ使イタイ」




「変異体を探してローブを渡すことがおつかいか……」




「ソウジメジメスルナヨ。ソンナ暗クジメジメシタ見方ヲ変エルチャンスカモシレナイゾ?」




 ――presented by オロボ46――








 ここは、地球とそっくりに創造された星。




 地球と似た建物、地形、自然、人々が存在する星。


 


 人間に見つからないように暮らす“変異体”が存在する星。




 世界に対して独自の考えを持つ、人間と変異体が存在する星。




 バックパックを背負う人間の老人と、変異体の少女が旅をする星。




 地球とそっくりに作られた星を、今日も彼らは旅をする。

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