神々と信仰
[神族]
〈古き日の四神〉
古代に世界を支配していた四柱の神です。
神々の父にして大地の神ヴィサス
揺らぐ水と哀しみの女神ソロウ
荒ぶる火と怒りの神ラース
閃く風と楽しみの女神ピアチェーレ
の四柱で、ヴィサスと三柱の子供という関係です。
ヴィサス(父)→ソロウ(長女)→ラース(長男)→(ピアチェーレ(次女)→サリヤナ(三女)
〈古き四神の時代からサリヤナの時代へ〉
古代の民は神々に支えられて文明を築き、栄えていきましたが、次第に信仰を忘れ、破壊と争いに明け暮れるようになるにつれ、大地は荒れ、その大地を生み出したヴィサスも弱っていきました。その様子を見たラースは怒り狂い、古代の民とその文明のほとんどを焼き払ってしまいました。
自分のためとはいえ、余りにも残酷なラースの行いに、ヴィサスはヴルカーンの地下深くにラースを幽閉しました。しかしラースの怒りはおさまらず、いまだにヴルカーンの山を燃やし続けています。
ラースが焼き払った地上の灰をソロウがその涙で洗い流し、再びヴィサスが人間や動物を産み出します。その時ピアチェーレが、前と同じ人間や動物だけではつまらない、と産まれたばかりの生き物たちを風で吹き散らします。この時生き物たちが混ざり合い、エルフやドワーフ、獣人や亜人、いろいろな魔物も産まれてしまいました。
大地に新たな生命が根付いたのを確かめると、ヴィサスはあとの仕事を新たに生まれた女神サリヤナに託し、またラースの抜けた穴を埋める為新たにフェンヌという女神を呼び出した後、体を癒す為姿を隠すのでした。サリヤナは過去を繰り返さぬよう、人々が正しい道を進むよう導き始めます。
こうしてヘイオーンやその他の国々でサリヤナ信仰が生まれ、サリヤナ正教会が設立されるのでした。
◆語り部の一族
ラースが世界を焼き払った際、ごく僅かですがその災火から生き残った者がいました。ヴィサスはその者たちを古代の語り部として、自分たちの身の上に起きたことを語り続けることを命じます。彼ら生き残りの古代人は、長寿として知られるエルフ族よりもさらにゆっくりと歳をとります。怪我や病気に対する抵抗力は、普通の人と変わりありません。
[主な信仰]
〈サリヤナ正教〉
ヘイオーンをはじめとした国々の主に都市部で信仰されており、ヘイオーン王国の国教でもあります。「欲にまみれず、邪に魅入られず、神と共に歩む者として正しい道を往く」ことを目指しています。また、ごく低確率かつ条件付きではあるものの、教会内では死者蘇生が可能です。
ファランドールの教会に所属する白の騎士隊は、全員が冒険者かつサリヤナ正教の信者です。
〈聖杯教会〉
サリヤナ正教とは逆に、農村部を中心に広がった信仰で、揺らぐ水と哀しみの女神ソロウを信仰します。農村部では水が何より大事なため、水を司るソロウが信仰されるのも当然の流れでした。また、ソロウの使いとされる猫は、ネズミを捕まえるので、農作物の被害を防ぐのに重宝されたのです。
〈炎狼教会〉
火と怒りの神ラースとその後任のフェンヌを信仰する宗派です。主に火を使う鉱山や鍛冶に携わる職業や、火炎の呪文を扱う魔術師、さらには一部の戦士系の職業などに幅広く信仰されています。またドワーフはほぼ全員がこの宗派です。
合言葉は「ラース教と一緒にすんな」。
〈ラース教〉
火と怒りの神ラースの破壊神としての側面を都合よく切り取った教団。「今の世の中を再び破壊神ラースが焼き払ってくれる。自分たち信者はその後の新しい世界を導く者となるのだ」といった教義を掲げ、時に生贄と称して若い人間を攫ったりしています。貧困層や犯罪者を巻き込んでジワジワと勢力を拡大している反社会的集団です。
比較的平和だったヘイオーン国内ではあまり信者は増えませんでしたが、最近ではファランドール迷宮に信者が逃げ込んでいるという噂もあります。
〈ツクモ地方の信仰〉
極東の島国であるツクモの島には、サリヤナ正教会の教えは届かず、かわりにツクモ独自の信仰が育っていきました。彼らはあらゆる物には神が宿ると信じ、物を無駄なく、そして大切に扱うことを代々教えられて育ちます。
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