こみ上げる吐き気をもって、思った
こみ上げる嘔吐感、これをもっておでんを為すべし。
良き出汁がでるだろう。
狂気である。
狂気の沙汰、それ以外の何物でもなかった。
しかし、彼にとって狂気か、正気かなどということは大した問題ではないのだ。
気持ちが悪い。
腹から持ち上がる、この内臓とヘドロがかき混ぜられたような下水のような気持ち。
これがどうにかなるのなら、おでんだろうがお電話だろうが、そんなことはどうでもよい事だったのだ。
おでん、作るべし。
彼は湯を沸かす。
目的は出汁を作ることである。
おでんは結果に過ぎない。だしを取った末に、食材を煮込む。その結果でしかないのだ。
出汁をとれ!
出汁をとれ……!
出汁をとるべし……!
心の臓、その奥から、無数の手が伸ばされるような恐怖感。
お前もそうなって沈んで行けという、奈落への誘いでありながら甘美でもある誘惑。
あぁ、楽に、楽になれるのなら……
首を振る。
一瞬、意識が飛び、傾いたことを自覚したからだ。
出汁をとることに集中すべし。
気持ち悪さを取り出すのだ。己が未熟もそこに込めて。さすれば、きっと良き出汁が出るだろう。
すまほなる機械も、この日のために準備していた。撮影し、ねっとわーくなる網に囁ぎ後となる機能を使い乗せるためだ。
囁き事にてりついーとすることを拡散と呼ぶ。
彼は、数日にわたる調査にて、囁き事なるものに、猫と料理は鉄板で間違いがそうそうないといことを発見するに至っていた。
なれば、この嘔吐という感覚で出汁をとったおでんなるものをりついーとされたならば、更なる飛躍が望めることも彼は確信している。
拡散。広げ、散らばらせしめる。
彼の目的はりついーとそのものである。
病、塊のそれを崩し拡散しすれば、必然、有する重きは小さくなるなり。
小さく、小さく。
油断はしてはならない。出汁をとるだけでは、嘔吐感を完全に退治せしめることはできないのだ。
御免、と力を一つ入れ、気持ち悪さを塊にて落とす。
じわりじわりと湯に出汁が出始めた――彼と嘔吐、その決戦の、それが本当の始まりであった。
何を書いているんですか?(聞かれても困る質問
書いている現在、すごくなんか気持ちが悪くて、そんな中ふと頭に思いついた
すげぇ気分が悪いんだよね、おでん作れそう。
って。意味わからないけど、まぁいいやブログにでも書いとくか、
と、それだけの話だったんだ(まとめ
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