第611話 妻として4

 葵は迷っていた。

 楓からの提案は正直魅力的であったから‥。

 増え続ける嫁。

 その分ドンドン減っていく出番。

 

 嫌、流石に刻を戻すのは‥


 でも、私が断っても目の前の人物?は計画を実行するのでは?

 だったらその提案にのっても良くない?


 嫌、他の嫁達に悪いし‥


「ちょっと、早くしてくれない。

 もう待てないから、10数えるまでに決めてね?

 はい、10」


 え?

 10秒で決めるの?

 さすがに無理じゃない!


「9

 早く決めてね。」


 クッ、残り9秒で決断しないと‥

 さぁ、どうする?

 アリアさん達に悪いとは思うけど‥


「8」


 嫌、私の良心が‥


「7

 迷ってるひまあるの?」


 ‥‥‥


「6

 決断の時だよ。」


 ヨシ、決めた。


「5

 もう半分だよ。

 本当にその決断でいいの?

 誰も君を責めないよ。」


 クッ

 そう言われると‥


「4・3・2」


 ちょっと、何でスピードを早めるかなぁ。


「はい、ラスト。

 1

 では、君の答えを聞かせて。」


「私は‥」


 葵は苦しみながらも自らが決断した答えを伝えるのであった。

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