第589話 謝罪

 まさか最高神様がこんなイカレた発言をするとは‥。

 いや、最高神様に限ってあり得ない。

 まさか!?

 偽物???


『今、私の事を偽物ではないかと疑いましたね?

 はぁ‥

 この私が偽物だと思われるとは‥』


 今回、光の塊で現れていた最高神は鍛治神に偽物だと疑われた事でその発光を強めていた。もちろんただ光るだけでなく、神気をバンバン放出している。


「ちょっ、つよ。

 最高神様!

 疑って申し訳ございません。

 お願いですから、神気を弱めて下さい。

 さすがに力が強過ぎて、私でもシンドイですから。」


 最高神の神気に当てられて、鍛治神は素直に頭を下げた。


 だが、最高神の神気はさらに強まっていく。


「え?

 ちゃんと謝ったのに‥。

 神気が強過ぎてシンドイです。

 お願いですから、許してください。」


『謝る相手が他にいるでしょ。

 貴女は誰の手を砕いたのですか?』


 最高神に言われてハッとなる。


 まさか!?

 最高神様が人間に興味を???


 最高神は鍛治神に話しかけながらゆっくりと動くと刻の止まった男の手を優しく撫でている。男は手は鍛治神の力でぐちゃぐちゃになっていたが、最高神が優しく撫でるとその傷は瞬く間に治るのであった。


『ほら早く謝って下さい。』


 最高神に言われてすぐに頭を下げる。


「ごめんなさい。」


 男の方と向くと深々と頭を下げる。


『う〜ん、まだ足りないかなぁ。

 ほら、もっと違う謝り方があるよね?

 さぁ、やってみよう!』


 かなり誠心誠意謝ったのだが、まだ足りないようだ。

 これ以上となると、アレしか思いつかない。

 床に膝をつき、座り込むと額が床につくように頭を下げる。

 神界でも度々話題になったとある国の最大の謝罪方法の土下座だ。


 さらに謝罪の言葉を口にしようとした瞬間、止まっていた刻が動きだすのであった。

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