第586話 自動運転?

「ここは何処かな‥」


 最高神様によって地上に転移させられると、辺りは真っ暗のようで自分が何処にいるのか理解出来ていなかった。

 下手に動き回ると危ないと判断して、その場に留まり葵さん達と合流するのを待つ事にする。


 それから数分後、突然目の前が明るくなる。


「眩しっ!」


 モロに光が目に入ったのですぐに目を閉じる。


 俺が目を閉じて眩しくしている状況を理解したのか、光の主はその出力を落としながら近づいてくる。


「あっ。」


 俺はその正体に気がつき、声をあげる。


 光の主は相棒のバスだった。


 バスはゆっくり近づいてくると、俺に触れるか触れないかのギリギリに止まる。


 おいおいおい、どんなテクニックだよ!


 相棒のバスに会えた喜びより、ギリギリに止まった運転テクニックが気になってしまう。


 ????

 バスが小刻みに震えているのに気がつく。

 その動きがまるで喜んでいるように感じてしまう。


 まさかね。


 バスに自我は無いのでそれを否定する。


 とにかく、凄腕の運転手が気になるのですぐにバスに乗り込むのであった。


 ・

 ・

 ・


「えっ?」


 運転席を見て、驚愕する。


 葵さんやNo.9さんを予想したが、まさかの誰も乗っていないのだ。


 自動運転??


 いや、それはないかな。

 先程は暗闇で俺に気が付いてライトを点灯させ、ゆっくり近づくとミリ単位で止まってみせたのだ。


「うーーん。」


 謎は深まるばかりであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る