第584話 問題3


『どうかしましたか?』


 思わず大声を出してしまった俺に、最高神様が笑顔で心配してくる。


 クソぉ‥‥貴女が原因なのに、あの笑顔を見せられるとこれ以上は責められない。


「な、何でもありません。」


 これ以上詮索するのは得策ではなさそうなので、矛を納めることにする。


『そうですか。

 それなら良かったです。』


 最高神様は微笑みながら‥


ペロッ


 !!!!!!!!


 見えた!!

 

 俺には見えたぞ!

 今、最高神様が舌で唇を舐めた。


 早すぎて女神様には見えなかったようだが、何故か俺には見えた。


 え?

 何でこのタイミングで舌を舐めたの??


 最高神様の動きに混乱していると、さらに次の動きがある。


 最高神様の口が動く。


 声は出ていないが、何故だかその意味はわかってしまっていた。


『ひ』


『み』


『つ』


 うわぁ、絶対黒だよ。

 最高神様、時間停止して何か俺にしてるよ。

 ベルトの穴が動いているということは‥。


 イヤイヤイヤ、最高神様に限ってそれは‥。相手は最高神様だよ。

 たかが人間なんて相手にするはずがない。きっと俺の勘違いだ。


 俺は最高神様が唇を舐めたことを忘れようとするのであった。


 ・

 ・

 ・


 何て面白い反応なの。

 あ〜最後まで出来ないのがもどかしい。

 メインがした後は絶対に私がするから!!

 これは決定事項です!!


 サブの最高神が密かに決意するのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る