第559話 鍛治神
<鍛治神side>
ピキーーーン
既に数億年、武器を作ってきた鍛治神が自身最高傑作の刀が壊された事を感じる。
「アレが壊されただと??
ありえねぇ
ありえねぇが面白い。
ハハハハハ
アレを壊すとは‥
どんな奴だ?」
鍛治神が立ち上がると作業場から外に出る。
「鍛治神様!!」
部屋の外に出た鍛治神に天使達が驚く。
「おい、鍛治神様が部屋から出てるぞ‥」
「マジ?
えっ、上位神様から呪いを受けて部屋から出られないって聞いたぞ。」
「違う違う。
身体と部屋が融合してるって聞いだぞ。」
天使達は各々神伝説を口にする。
そんな中、一人の天使が動く。
「鍛治神様、どうかされましたか?」
天使達の中で一番の古株が鍛治神に声をかける。
「‥‥‥‥知らぬ顔だな?
まぁ、いい。
ちょっと下界に降りると上位神に伝えといてくれ。」
それだけを伝えると鍛治神はゆっくりと歩きだす。
天使達はそれを無言で見送る。
そして‥
「え、下界に降りるって言ったよな?」
「うん、そう聞こえた。」
「ダメだろ、止めないと‥
神が下界に降りるのは基本的に禁止だぞ。」
「じゃぁ、お前が止めろよ。」
「無理無理無理!
鍛治神様の性格を知らないし‥
下手に怒らせたりして消されたくないし‥」
「だよね。」
「じゃぁ、上位神様への報告よろ!」
「嫌、無理!」
「私も無理だよ!」
天使達が上位神への報告を嫌がった為、鍛治神が下界に降りたことを他の神が知るのはずっと後になってしまったのだった。
<葵side>
「様子はどう?」
No.9が斗馬の様子を尋ねてくる。
「かなり酷い状態よ。
骨折箇所は数え切れない‥
腱も切れてる‥」
葵は唇を噛んだ。
「あの糞王子め!」
No.9が斗馬を攻撃したと聞いた相手に怒りを露わにする。
「No.9、違うの‥
確かに何割かは、あの糞野郎のせいだけど‥
そもそも女神の装備は人間が装備できる物ではなかったの。
何でそんな装備を女神様が斗馬さんに渡したのか‥
これはかなり問題よ。
天界に斗馬さんを気に食わない神がいるのかも‥」
葵は顔色を悪くしながら説明すると、すぐに斗馬の治療に集中するのであった。
<パトラside>
地下牢に幽閉されていた宰相と今後の話し合いをしている最中にその報告を耳にする。
「そう‥
お母さまもお兄様も‥」
パトラは報告を聞いて絶望する。
「この国はお終いね。
唯一お父様の継承者であるお兄様が亡くなるとは‥。
女である私にこの国は背負えない‥」
パトラは肉親を失って悲しむ暇すらなかった。
ただ希望は残されていた。
「私に考えがあります。」
宰相の口から帝国が唯一生き残れる案が提示されるのであった。
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