第519話 女神の怒り2

 最上位神の居た部屋から出るとゆっくり自室に戻っていく。

 本当は全速力で走りたいのだが、ここはあえて心を穏やかにもっていく。

 心を落ち着かせながら自室に入ると、すぐに天使達を呼びつける。


 女神のただならぬ気配に呼ばれた天使達も困惑していた。


「それでは、今からラルジェ帝国に対する天罰を下します。

 この天罰は最上位神様の許可も頂いていますから安心して下さい。」


 女神の暴走でないとわかると天使達はホッとする。


「まず、大前提ですがラルジェ帝国の人間は1人も殺してはなりません!

 これを破ったものは罰せられますので注意するように。」


 罰と聞いて天使達に緊張がはしる。


「1人も殺せないということは『神の雷』は使えません。」


 ここまで女神が説明すると天使の1人が手をあげて質問してくる。


「1人も殺さず、どうやって天罰を下すのですか?」


 他の天使達も同意見だったようだ。


「殺すなど生ぬるいのです。

 もっと苦しめないと‥。」


 女神が小声で呟いている。


「それでは、天罰を下していきましょう。」


 女神はニッコリ笑うと天罰を天使に伝えだす。


「ラルジェ帝国にある全ての神像から血の涙を流させます。」


 女神の言葉に天使達がざわつきだす。


「大丈夫です、最上位神から許可はもらってます。」


 最上位神の名前を出されると誰も反対する事は出来なかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る