第409話 反乱


 グスタフ辺境伯による反乱を聞かされ、一同に緊張がはしる。


グスタフ辺境伯は典型的な男性上位主義の男だ。ラーナが女性でありながら家督を継いだ事が許せなかったのであろう。


「私のせいで申し訳ございません。」


ラーナが立ち上がって全員に頭を下げる。


「別に貴女のせいではありません。

 それに上に立つ貴女が簡単に頭を下げるものではありませんよ!」


謝り恐縮するルーナをサラが一喝する。


「皆様、少し落ち着いて下さい。

 ここは冷静になって対策を考える時ですよ。」


軍務大臣の妻イザベラが動揺する仲間を落ち着かせる。


そんな中、とある人物が口を開きだす。


「え?

 皆さんは何を焦っていますの?」


宰相の妻フレンが不思議な物を見るような顔をしている。


「あ、焦りますよ!

 反乱ですよ?」


内務大臣の妻マリアンヌがフレンの言葉に反応する。


「反乱?

 はい、それが?」


ケロッと応えるフレン。


「それが?って‥

 戦になる可能性があるのですよ!」


マリアンヌが激昂する。


「戦になるでしょうね。」


フレンの言葉に騒ぎが再熱する。


対抗手段をどうするのか等でその場が騒がしくなるが、フレンが手を数回叩いて全員を黙らせる。


「だから何を慌てていますの?

 グスタフ辺境伯の反乱?

 丁度良いではないですか。

 男性上位主義の者達が集まってくれるとは‥。

 好都合です。」


フレンが笑みを浮かべる。


その笑顔を見て全員の血の気が引くのであった。

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