第405話 不全


王(フエルテ)side


「どうして立たないの!」


ヒーラーのノエルが苛立った声をあげる。


「どうして!」

「ありえない!」


ノエルの怒気が強まる。


「何が起きているのだ。」


フエルテ王は自身に起きている事に困惑を見せる。


「あぁ、もういいです!

 こうなったら、どんな手でも使ってやりますよ。

 ほら、これでどう。」


ノエルが何かの魔法を唱える。


するとフエルテ王のアソコが反応を見せる。


「よし!」


ノエルは勝利を確信する。


が、すぐにアソコは萎んでしまった。


「「あっ!」」


フエルテ王とノエルが驚きの声をあげる。


数秒の沈黙の後、ノエルの顔から表情が消える。


「ふふふふふ‥

 ここまでくると逆に楽しくなりましたよ。

 どんな手を使ってでも立たせてみせる。

 例え、禁忌に触れ死ぬ事になろうとも‥。

 覚悟なさい、私は本気よ!」


ノエルの不気味な笑い声が部屋に響き渡る。


ノエルのあまりの変貌に恐怖して言葉の出ないフエルテ王であった。




フェリス王女(母親)side


フエルテ王の所から立ち去ったフェリス王女は歩きながら笑っていた。


「気でも触れました?」


ずっと黙っていた強気な性格が言葉を発する。


「ちょっ、実の母親に何て言い方!」


今度は内気な方の性格が話しだす。


「別に気など触れてませんよ。

 ただ、可笑しくて。

 ふふふふふふふふふ‥。」


母親の笑いが止まらない。


「やはり気が触れてるじゃないですか。

 夫のアソコを潰すから。

 そもそも感覚も共有してるんですからね!

 何て事をしてくれたの!!

 まだ先ほどの感触が残ってます。」


強気な方が怒りだす。


「わ、私にもあの感触が残っています。

 殿方のアソコの感触が‥」


内気な方は困惑している。


「アソコの感触って‥

 散々、トウマさんのアソコを触ったじゃないですか!

 何を今更。」


「「あっ!」」


母親の発言に反応する2人。


「忘れるところだった!

 さっきは有耶無耶になったけど、絶対に許さないから!!

 よくも私の純潔を‥」

「お母様!

 私も許しませんよ!!」


激怒する2人。


「ごめんって。

 謝るから。」


母親はすぐに謝るが、何故か軽い。


「あと、私が笑った理由を教えてあげる。

 実はアイツのアソコを潰した時に呪いをかけたのよ。」


「「呪い?」」


「そう、呪い。

 どんなに回復させても絶対に立たなくなる呪い。

 解呪は絶対に出来ない究極の呪いなの。

 どう?

 本当は殺したかったけど、国の為に我慢したのよ。

 ほら、私って偉いでしょ?」


母親の問いかけにビビって反応出来ない2人であった。


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