第375話 夜通し


フェリス王女の質問責めは延々と続いていた。


あっ、カーテン越しに少しではあるが光を感じてきた。

夜が明けそうだ。


正直、30分ぐらいで眠くなるのではと思っていたがそうは問屋が卸さなかった。

途中から強気と弱気に交互に質問を繰り返した。

まるで交代しているかのように‥


向こうは2人、こっちは1人。


俺の疲労はピークに達しようとしていた。


「ふぁ〜〜。」


思わず欠伸をしてしまう。


やばっ!

王女の前で欠伸してしまった!

これは不敬で怒られる案件だ。


俺は思わず目をつぶってその時を待った。


今回はお尻かな?

などと考えていたが一向に叩かれる事はなかった。


目を開けて不思議に思いながらアサシンメイドを見ると、立った状態で寝息を出しながら眠っていた。


コ、コイツ!


人が質問責めにあっている最中に眠るとは‥


思わず拳に力が入る。


そんな俺の様子を見てフェリス王女が口を開く。


「あの子も眠ったようですし、私達も眠りましょうか?」

「‥‥‥」


あの子とは後ろのアサシンメイドなのか、それとも先程から喋らなくなった弱気な方なのか、気にはなったが眠らせてくれるならこの際どっちでも良かった。


俺はやっと自分のベッドに眠るのであった。


バッサッ


眠ろうとすると何かが落ちる音が聞こえる。


何だろうと目を開けるとフェリス王女がドレスを脱いでいたのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る