第96話 地獄絵図 *食事中は注意
まずい、まずい、まずい!
このままでは床を汚してしまう。
俺はアリアを抱きかかえてトイレを目指す。
その最中にあの悪夢を思い出す。
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それはまだ地球でバスの運転手をしていた時の話である。
「ピンポン!」
突然降車のボタンの音が響く。
俺はいつものようにアナウンスを行う。
「次のバス停に止まります。
お降りの方はバスが停車してから座席から『すいません!ちょっといいですか?』」
アナウンスを途中で遮られる。
何かあったようなので急いでバスを路肩に停車させる。
俺は急いで声のした方へ向かう。
声を出したのは女性のようで手を挙げて俺を誘導する。
「どうかされましたか?」
慌てた様子の女性に声をかける。
「この男性が苦しそうで‥。」
女性がそういうと中年の男性を背中をさする。
急病か!?
俺は男性に声を掛ける。
すると男性が苦しそうに訴えかけてくる。
「気持ち悪い。」
ん?
何か酒臭い
まさかコイツ酔っ払いか!?
俺が不審に思っているとついにそれを迎える。
「オエッ!」
男性は俺に向かってゲロを吐く。
それは突然の事で避ける事も出来なく、直撃である。
ほんの少し生暖かさを感じる。
そして車内に広がる、あの酸っぱい匂い。
さらにその臭いのせいで先程の女性もやらかす。
「オ、オエッ〜。」
何故かこの女性も俺に向けて吐く。
直撃である。
さらに強まる酸っぱい匂い。
他の乗客もその場で吐き出す‥。
子供が泣き出してしまう。
俺も泣きたいよ。
そうは言っても対応しない訳にはいかないのでまずは会社に連絡する。
会社から応援が来るとの事だったので片付けながら改めてこの光景を目に焼き付ける。
車内中に撒き散らされたゲロ。
もらいゲロで気分の悪くなってぐったりする乗客。
シクシクと泣いてる子供達。
まさに地獄絵図であった。
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アリアを運びながらあの悪夢を思い出す。
まぁ、アリアはおしっこだけどね。
嫌な事を思い出しているとトイレの前に到着する。
「後は一人で出来るな!」
ちょっと機嫌が悪かったので口調が強めになる。
「よくわからん。
あっ、もうダメかも。」
ちょっ何言ってる!
あぁ、もう!
俺は覚悟を決めると行動にうつす。
トイレの扉をあける。
便座の蓋あける。
アリアの服を脱がす。
アリアの下着を脱がす。
アリアを便座に座らせる。
トイレからすぐに脱出する。
この間たったの5秒。
あっ、服とか下着を剥ぎ取ったから破れたかも‥。
そもそもソフィアさんにさせれば良かったと後悔しながらとりあえず安堵するのであった。
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