第参拾陸話 射出! 姿を表す巨神!

「敵艦隊!戦闘艇と思われる物を射出!」

 叫ぶように、戦艦アークイドのオペレーターが告げる。

「第八小隊は敵戦闘艇を叩く!」

「了解した!キシベ!」

 カプセル型の大気圏突入用装置、通称ポッドに収納された機体の中で、通信を行う。

「敵機!攻撃してきます!」

「わかった!マキア、敵機をマーキングしろ!」

「了解しました!!」


 ヒュイン!!


 敵機に放たれた、光の弾丸は、ポッドを掠める。

「マキア!!ポッドパージ可能まで、あと何秒だ!」

「残り、1kmキロ!!秒にして!あと約10秒です!!!」


 10...9...8...7...6...5...4...3...2...1…


「0!!パージ可能です!」

「ポッドをパージする!!」

「了解しました!!」

 直径7.5mメートル高さ27mメートルほどの円柱系のポッドは ガシャッ と言った音で、四つに分かれ、開き円板に近い形になる。


「パイロットとの、連携開始...成功、完了しました。次に、敵機のマーキング、周囲の敵機数の計測...成功、敵機数187機。また、ブライズ・ノートン基地で確認された、鹵獲されたと思われる、我が軍の機体1機と、隊長機と思われる機体...3機確認!」

「姿勢制御バーニア噴射させて、除去体制へと移行する!」

「了解!計算中です!完了…移行します!!姿勢制御バーニア噴射!!!」


 ヒュー プシュー ガコン!!


 高速で落下する中、素朴なバーニアの音で、機体を乗せた、円板はひっくり返る。

 円盤は、空気抵抗で、急速に減速を行い、固定されていた巨神は、円盤を蹴り加速をつけ、飛び出す!!!


 カチャ カチャ ヒシュヒシュン


 空中に残った円盤からは、側面に搭載された銃器と刀を二振搭載した、バックパックを射出する。

 機体の周囲に近づいた、バックパックは、バーニアの調整を受け、背部の定位置に向かい、接続体制に移行、接続する!

 空中に浮かぶ銃を手に取ると…


 ズサッ ギュイィッ


 ノアに搭載されている粒子圧縮装置により、生成された足場を、蹴り、加速しながら落下する!!


 ヒュイヒュイヒュインッ!!


 敵は落下してくる彼らを完全に捕捉し、弾幕を張る!!!

 敵が指揮したのか、自律的に無人機が行動したのか、不明ではあるが、彼らに弾幕を張るだけでなく、接近し始める!!

「マキア!!戦闘行動を開始する!!!」

「了解しました!!」

「刀を使用する!!!」

「了解です!!安全装置、固定装置解除!!落下時用射出機能使用!!!」


 ガシャンンッ!!シュイン!!!


 バックパックに固定されている、刀は射出され、手に持っていた銃をバックパックから伸びるアームに持たせ、刀を手に取る!!


 手首付近に存在する、コネクタに接続された事により、刀の刀身は、蒼く光り始める。


 彼、ことジークが刀と呼ぶ、その武器は、正式名称を試製507式粒子刀といい、本戦闘前にシキシマ博士が制作した、今まで、西暦2507年までに例を見ない、特殊兵装であり、仕組みとして、刀身部分に宇宙空間に存在するエーテルのみを通さない、電磁防壁を発生させ、電磁防壁内にエーテルを充填させ、内部で加速させる事により、大気圏内では大気を取り込み蒼の、宇宙空間では緋の刀身を形成し、超高温度に加熱させられたエーテルで、溶断すると言った武器であった。

 また本武器には従来にはない、峰部分にスラスターを設置した事による、斬撃自体の加速による、特殊な斬撃を放つ事が可能になっている。


 蒼の斬撃は、宙に浮かぶ敵戦闘艇を、加速してゆく刀身で切り裂く!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る