独りにしないで

 ただ、疲れた。暗闇のような、自分ただ独りのような、妙に深いところから抜け出せない。

「どうして皆いないの?」

「置いて行かないでよ。」

 問いかけたってどうせ、誰も答えてくれない。

「君なら大丈夫。」

 そんな言葉、聞きたくない。必要ない。

 冷たくなった指先は、それでもまだ心よりも温かい。

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