笑いたい、笑えない

 冬の朝六時半。空はまだ薄暗く、夜の残り香の漂う空気。

 丸くて大きな月が堂々と一人で立っている。

 何となく生きている弱い僕には、月明かりさえ眩しくて、でも美しいそれを見上げた。

「もしもあそこまで飛んで行けたら、雑にライトアップされたこの星を笑うことができたのに。」

 そう思いながら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る