第63話

説明を聞き終えた室内は重い雰囲気に包まれていた。

予想外の事態にテンパった俺は碇ゲン◯ウのポーズを取りながらみんなに問いかけた。


「なあ……六大国ってなんか数字不吉じゃない?」


魔王が怪訝な顔で「どういうことだ?」と聞き返す。


「ここは思い切って五大国にするとか……」



奈美が冷静に俺を諭そうとする。

「落ち着いてください唯人様。さあ、私のお尻に顔をうずめて…」


全く冷静な判断ができなくなっている俺は

「お、おう。そうだな…」と奈美の尻に顔を近づけていく…


しかし、その前に麻奈とひばりが俺の肩をガクガク揺さぶり


「ご主人様(唯人)!お気を確かに(気を確かに持って)!!」


麻奈は奈美をキッと睨み

「どさくさに紛れて自分だけいい思いしようとするなんて…くっ…考えつかなかった…」


奈美は「チッ…」と悔しそうに舌打ちをしていた。




魔王が手を叩き

「とにかく、その海岸に近いところをどうにかすれば良いのだろう?なら、マーメイドに頼めば良いのではないか?

海からマーメイドの攻撃を受ければ獣人に対抗する手段はない。と、なると必然的に海岸から離れる」


俺は光明を見出した。

「ソレだ!!よし、早速マーリーンに連絡を取ろう。

レディ!ナターシャにマーリーンと連絡を取り今のことを伝えるよう伝達だ」



「ハイ…………伝達完了しまシタ」


ふぅ…今回は危機的状況だったなと一息つく暇もなくナターシャから「マーリーン不在の為連絡を取ることが出来ませんでした」と返事がきた。



「あんのアホマーメイドどこをほっつき歩いて…いや、どこをほっつき泳いでるんだ…」


4人も暗い顔になっていた。

とその時、俺の脳裏に閃光が走った。


「待てよ……もしかしてマーリーンはまだギルファーの近くにいるんじゃないか…?」


「だけど、それがわかっても僕たちには連絡を取る手段がないよ」とひばり


俺はごくりと息を飲んでから

「よし、……」



「「「「………え??」」」」

4人は揃って『いや、いくらなんでもそれは…』みたいな顔をしていた。



俺は早速立体映像でシルバーを呼び出し、今すぐ全兵でマーリーンを釣り上げるように指示を出した。



(バッジオ軍が到着するまでに1日弱ある…それまでに何とか釣り上げれば…

さすがに難しいか?さすがのマーリーンといえども3回も釣られるってことは…)


30分後、ビービービー…と鳴り響く立体映像


さすがにギルファーの兵が言うことを聞かなかったか…そりゃそうだ。戦闘の前に全員で釣りをしろなどとふざけた命令はきけないだろう。

と思いながら俺は応答した。



!!!」



(釣れたんかい!!!マーリーンがアホで助かったぁぁぁ。アホ万歳!!)



早速俺はマーリーンに今の状況を伝えて海からマーメイド軍に攻撃を加えてもらうように頼み、後はシルバーと打ち合わせてくれと言った。


「はい!わかりましたっ!すぐに準備しますね」とにこにこのマーリーン



通信を切った俺は「はぁ………つっかれたー。これもう俺3年ぐらい隠居してもいいレベルじゃない?」


「えっ……?それは3年間私としまくりたいってことですよね!?」

顔を紅潮させながら言う麻奈


「………麻奈、お前の耳と脳内はどうなってるんだ」



「シレイカン……」とレディから声がかかる。


「レディ、どうした?何かあったか?」


「……ギルファーにいるマーメイドにマーリーンを捜索させればヨカッタのデハ…?」



「「「「「あっ………」」」」」



「先に言えー!!!!!」

本日一番の大絶叫が室内にこだました。




※御礼※

週間ランキング8位獲得いたしました!!

これもたくさんの方に読んでいただけた結果です。本当にありがとうございました。

次の目標は作品フォロワー5000と100万PVになります。

そこまで頑張って参りますので引き続き応援よろしくお願い致します。

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