第2話

「し…いか…、し…いかん、司令官!起きて下さい!」



(司令官?誰か知らないが呼ばれてるぞ…早く返事してやれよ。俺は…眠い…んだ)



「司令官!いい加減起きて下さい!敵襲です!」

ガクガク揺さぶられた。



はっ!!と目を覚ました俺は椅子に座っている。目の前には『ナターシャ』がいる。



ナターシャはロストエデンの副官だ。金髪ロングの髪に白い肌、肉付きが良く胸も大きい。外人受けする容姿をしている。



「あれ?ここは…ッ!?ナターシャ!?それに敵襲って馬鹿な!!このワールドは無人のはずだぞ!」



だが、敵襲は本当のようだ。警報アラートが赤く光ってビービー音を発している。

とりあえず疑問は全て後回しだ。



「ナターシャ!現状報告を頼む。」


「ハッ!かしこまりました。つい先程、警報アラートが敵襲を知らせました。約2分前です。それで、言いづらいのですが…」


「なんだ?構わないから言ってくれ。」


「ハッ!敵の詳細がわかりません。こちらをご覧下さい。」



画面に映し出されたのは

【敵兵種????兵人数????敵兵力????残り到着時間????】だった。



「ハァ??あり得ない。何が起こっている…」



通常であれば今の画面に全て表示され、そこから指揮を執る副官を任命、部隊編成、配備などをする。一応、いつ攻められても良いように防衛部隊を配置してはいるが、その時々に合った編成をした方が被害も少ない。



「ナターシャ。とにかく副官を全員招集してくれ。それから『レディ』聞いているか?」


【ハイ、聞いておりマス。】



レディはロストエデンの全てを管理する人工知能を搭載したコンピュータだ。



「敵の姿を確認したら、すぐに画面に出してくれ!」


【かしこまりマシタ。】



それから5分後、全ての副官がこの部屋に揃った。



『ニック・フォワード』…27歳

ロケランを笑いながらブッ放すヤバい奴だ。ただ、攻める時の指揮は抜群で、彼を指揮官に任命するだけで、部隊の攻撃力が上昇するという効果がある。

特殊能力も攻撃向けだ。


「敵襲かい?なら、防衛だろ?俺には関係ないと思いますがね。」



『アマンダ・ローズ』…25歳

ダブルマシンガンを撃ちまくる気の強い女性、もとい戦闘狂。彼女もニック同様攻める時の指揮は抜群。彼女を指揮官に任命すると、行軍速度が上昇。というか、ニックとアマンダに任せておくと相手の要塞が可哀想なことになる。

同じく特殊能力も攻撃向け。


「ニックと同意見だね。ワタシは防衛向けじゃないよ。早く攻撃でマシンガン撃ちまくりたいねぇ。」



『シルバー・マーシュ』…36歳

バカでかいスナイパー・ライフルを担いだナイスミドル。彼は防衛向けの副官。防衛の指揮を執らせると部隊の攻撃力、防御力ともに上昇する。

特殊能力も防衛向け。


「俺の出番だな?最近、防衛が無いから暇だったぜ。全滅させてやるぜ!」



『カーミラ』…年齢不詳(多分20代前半)

長身の女性。黒のラバースーツ、仮面を身につけており、素顔を見た者はいない。一説には、素顔を見た者は彼女に殺されるのだとか…

彼女は隠密行動を得意としており、彼女の指揮する部隊は諜報活動、暗殺などを一手に引き受ける。

特殊能力も隠密向け。

胸が小さいのが欠点。


「………。」



『ジョー博士』…45歳

マッドサイエンティスト。ロストエデン内の研究を彼の研究員たち(アンドロイドだが)と共に行う。腕は確かだが、性格がヤバい。

自分の興味を惹かれたことなら、相手がどうなろうと一向に構わない。あまり言いたくないが、目玉をくり抜いたり、心臓を取り出したりなども行う。

特殊能力は攻撃、防衛どちらでも。


「未知の敵ですか…これは研究意欲がそそられる。フフフッ。殺さずに捕らえて下さい。そして、私に引き渡すようお願いしますよ。」



『アレクセイ・モロゾフ』…40歳

建築士。めっちゃ顔がこわい。子供が見たら泣くレベル。ただ、彼が造る建築物は外観だけでなく機能もに優れている。更に、部隊指揮もそつなくこなす。有能な人材。

右手が義手であり、その義手もなぜこれをチョイスしたのか問いたくなるぐらい禍々しい。

特殊能力は建築速度増加。


「ワシがやろうか?ワシが出張った場合、博士の希望には添えんがな。ガハハハ。」



それに『ナターシャ』と『レディ』を加えた8名がロストエデンの副官だ。




「ロストエデンは現在敵襲を受けている。画面を見ればわかるように全て未知だ。敵の姿が確認でき次第レディが画面に出す手筈になっている。」



そう言っているとレディが、

【敵の姿をカクニン……画面を切り替えマス。】



そこに映し出されたのは鎧をつけ腰に剣を差した騎士。それに杖を持った魔法使い?のような者。それに馬車。

それが300名ほどだろうか。

騎士は馬に跨っている者と歩いている者。おそらく、馬に跨っている者が上の立場なのだろうことは容易に想像できる。

魔法使いのような者は、徒歩のみだ。



「こんなのThe lost worldにいないよな?というか、見るからに……」


「弱そうだ。」「弱そうですね。」「ザコだろ。」「相手にならないね。」「おいおい、俺の防衛相手はあれか?」「………。」「魔法!!これは是非ともかいぼ…じゃなかった。研究したいですねぇ。」

「ワシは帰って寝ていいか?」


と、思い思いの感想を述べる。



「とりあえず、相手の力量を見るってことで。シルバー防衛部隊の指揮を頼む。」


「マジか…」

と、シルバーの嫌そうな声が聞こえたが俺はあえて無視をした。

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