第28話 エヘッ! 28
「私の名前は水月。ある日、水に流されて水の山に流れ着いて河童とかガマガエルに育てられ、下山する頃には立派な水の侍になっていました。」
これが水月の悲劇的な人生である。
「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
おみっちゃんは今日も茶店でアルバイトしている。
「もし良かったら、私の山の天然水をお茶に使ってみませんか?」
水月はおみっちゃんに言ってみた。
「え? いいんですか? うちの茶店の水は普通の水道水ですよ。エヘッ!」
結構汚い時代劇の水道水。きっと雨水をろ過しているか、近くの汚い川で汲んできた水である。
「どうですか? 不純物の無い新鮮な水ですよ。」
水月はおみっちゃんにアピールする。
「美味しい! こんな美味しい水は初めて飲みました。エヘッ!」
可愛い子ぶるエヘ幽霊。
「それほどでも。」
ニヤニヤする水月。
「誰もあんたのことを褒めてないよ。」
呆れる女将さん。
「それよりもいいのかい? おみっちゃんに手を出していると不幸に巻き込まれるよ。」
真実を言う女将さん。
「私のおみっちゃんに手を出すな!」
火月たちが現れる。
「なんなんですか!? あなたたちは!?」
水月はあっけにとられる。
「我々はおみっちゃんファンクラブの親衛隊だ! おみっちゃんの平和は私たちが守る!」
いつの間にかメンバーも4人に増えた。
「こうなったら隣村で妖怪を1番倒した奴がおみっちゃん親衛隊の隊長だ! いざ! 尋常に勝負だ!」
「おお!」
こうして火月たち5人は去って行った。
「平和っていいな。エヘッ!」
美味しい水でお茶をいただくエヘ幽霊。
「おみっちゃん、サボっていると給料を減らすよ。」
女将さんのキラーパス。
「それだけはお許しください! 神様! 仏様! 女将さん!」
パワハラに屈するおみっちゃんであった。
「火斬り!」
「氷斬り!」
「風斬り!」
「雷斬り!」
「全てを洗い流せ! 水斬り!」
火月たちは隣町の妖怪を倒した。
「平和っていいな。」
火月たちは平和を噛み締めていた。
つづく。
おまけ。
「マジか!? 4人から5人になったのにさらに本編が短くなったぞ!?」
恐ろしい。
「どうすればいいんだ!?」
日常ダラダラと描くか、なにか身近なエピソードを描くか。あ、この二つは同じことだ。
「1話が長いと選んでもらえないスマホ時代。」
10万字の小説1冊は読書離れと否定されている。
「やはりアニメ化されないと漫画、小説は売れない。」
でも、設定を変えても火や氷などでキャラクターの性格を構築してしまえば今後も使える便利だ。弱い所から描いてそれを克服すればいいだけの繰り返し。アニメや漫画、物語のパターンですな。
つづく。
「私たちの扱いはおまけに負けるのか?」
鬼の頭領の酒呑童子。
「私に言われても知らないよ。」
九尾の妖狐の玉藻の前。
「全ては神のみぞ知る。」
鬼神、大嶽丸。
「神はおまえだろうが!」
「そうだ! そうだ!」
「ごめんなさい!」
酒呑童子と玉藻の前が大嶽丸に襲い掛かる。
「私たちの出番が悪いのはおみっちゃんが来ないせいだよ。」
日本の4大妖怪会議を茶店のバイトを理由に欠席するおみっちゃんであった。
「私が可愛いから許してください。エヘッ!」
笑っていれば許されると思っているエヘ幽霊。
つづく。
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