お題81、ふすま
皆さんのおうちに和室ってありますか?
私は今の家にはないんですよね。だから、全部ドアなんですけど。
和室だと、ふすまがあるじゃないですか。
ふすまの隙間ってなんであんな怖いんでしょうね。とくに怖い話を見た後聞いた後とか、ちょっとでも開いていたら、もうぴしっと閉めたくなる。
今回はそのふすまの先にいたものの話をさせて頂きます。
Aさんという男性がいまして、奥さんと娘さんと3人家族でした。
住んでいたマンションが手狭になっていき、もう自分の両親は亡くなっていたんですが、その実家に移り住む事にした。
大規模なリフォームもして綺麗になった実家に住み始めたAさん。
リフォームをしても、昔からある和室はほぼそのまま残していて、自分の趣味としているプラモデルを飾ったり作ったりする趣味部屋にしていました。
ある夜、Aさんが趣味のプラモ作りをしていると、なんとなく自分の視界の端気になったんですね。
それで、頭を上げるとふすまがあるんですけど、そこが少し開いていた。
ふすまの先は廊下になっているんですが、あれ、部屋に来るときに閉め忘れたかな?
まぁ、早く開封したかったし、多分閉め忘れたんだろと立ち上がって、ふすまを閉めた。
で、またプラモを作ってたんですけど、しばらくして顔を上げるとまたふすまが開いてた。
建付けわるいのか、と考えてまた閉めようとしたんですね。
そしたらふすまの先、廊下から開けといてよねって女性の声がした。
それが自分の亡くなった母親の声だった。
あぁ、そういえば、母さんいつも扉を締め切ると空気が悪くなるって開けっ放しにしとかないと怒ってくる人だったなぁ。と思い出した。
そうか、母さんなのか。と気づいたAさんはおもっきしふすまぱーんって閉めて
うるせぇ、もうここは俺の家だ!好きにさせろやぁ!とどなった。Aさん、口うるさい母親の事あんま好きじゃなかった。
それ以降、ふすまが開いている事はなかったようです。
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