59話目、妖怪にあった話(実体験)

これは私が高校生の頃に妖怪化け猫に会ったお話です。

皆さんが猫の妖怪と聞けば、思い付くのは猫又か猫娘じゃないでしょうか?

でも、私が見たのは間違いなく化け猫と呼ばれるものでしょう。



高校生の頃、夜の日課という物が出来ました。

犬の散歩です。

まだ生後4ヶ月ぐらいで散歩にもなれてなく、散歩に行けば私より先に全力疾走するようなこでした。

そして、その散歩には母も一緒についてきてくれて

犬、私、母の順で走ったり歩いたり散歩を楽しんでいました。


そんなある日、犬が散歩コース上にあるマンションの駐車場に突然入ろうとしたんです。


「こら、だめだよー」


と私も続いて駐車場に数歩入り込みました。

犬は止まっています。

しっぽを振ることなく、股下にくるませることなく立てたまま固まっています。

犬の視線を追って



私も固まりました。




視線の先には猫が一匹いました。

駐車場の光が届かない影の中にいました。

ただ、シルエットが猫だったので間違いないはずです。


猫は私たちに気づいているのでしょう。

近寄ってきます。

猫が獲物に飛びかかるあの体勢でジリジリと寄ってきます。


私と犬は動きません。

だって、相手は猫なんですもの。


一歩


猫だ。猫がいる。


二歩


これは猫なんだ。


三歩



「早く帰るわよ‼️」



突然、母の怒鳴り声が聞こえハッとしました。

私は犬のリードを引っ張り、母と一緒に走って逃げました。

猫は追いかけてきませんでした。




家に無事について母に


「あれ、なんだったのかな?」と聞きましたが


「知らないわよ」とまた怒鳴られました。



あれは猫です。猫なんです。

ただ、大きさが土佐犬ぐらいあったんです。


もし、母に怒鳴られて正気に戻らなかったらどうなっていたんでしょうか?



あ、ちなみに近くに動物園はありませんのでトラとかの脱走ではないです。

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