お題52、同僚
ある日、Aさんという男性が残業の為、会社に夜遅くまで残っていました。
会社に残っているのは自分ともう一人同僚が残っていました。
その同僚はコーヒー買ってくるといって席を外していたんですね、
しばらく仕事とにらめっこしているとガチャっとドアが開く音がした。お、戻ってきたと思ってドアの方を見たんですね。
そこに同僚はおらず、少し開いた扉がきぃと音を立ててるだけでした。
あれ、どうしたんだろ。自販機に財布でも忘れて取りに戻ったのかなぁと思って別段気にしなかったんですね。
で、また仕事を再開した。
しばらくしても同僚は戻ってこなくて、さすがに遅くないか?と思った男性は、息抜きもしたかったし、自販機がある場所まで行こうと部署の少し開いたままのドアを開けて、廊下に出た。
廊下の先の曲がり角の傍に自販機があったので、おーいどうしたーとまず声かけた。
すると曲がり角の先からひらひらと手が見えた。
まるで大丈夫だよーっと答えているかのようだったそうです。
なんだ、そこにいるのかよ。戻ってきてコーヒー飲めばいいのにと思いつつAさんは自販機の所まで行こうとしたんですね。行こうとしたんですけど、あれ?A、どうした?と背後から声をかけられた。
え!びっくりして振り返ると、そこにはコンビニ袋を持った同僚が立っていたんです。
え?なんで?Aさんは曲がり角の方を見ましたが、そこには腕はありませんでした。
なんでってコーヒーだけじゃあれかなって思ってパンとか買ってきた。食べる?と同僚がのんきに言ってくるんですね。
いや、ありがとって言って同僚に言った所で、ばタンっと扉が閉まった。
同僚とドアの方を見ると、一部すりガラスになっている部分に手に平を押し付けて、ゆっくりバイバイと手を振っているような人がドアの向こうにいたんですね。
Aさんと同僚はゆっくり後ずさって、同僚は自分の鞄を持って買い物に行ってたんで、家の鍵とかも持ってた。その日、Aさんたちはそのまま帰って同僚の家に泊ったそうです。
別にそこの会社、自殺者とか何か事件があったわけでもなかったし、変な噂もなかったらいいんですけどね。
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