#12




かすかに聞こえる誰かの声・・・











弟「にぃ・・・」


妹「にぃちゃん・・・!!!」




友「ひ・ひぃぃぇぇえぇぇぇえぃ??!!!」





友「なんだぁ?あれ?!まさか・・・魔の物・・か?!?!」


 「いったい何があったんだ?!」


 「なんなんだあれは?!」










気が遠くなっていたようだ。














弟たちの声と、





里から来た友の声に気づいて自分を見やると、





僕はいつの間にか膝から崩れ落ちてしまっていた。





(助かった。)








あやうく、瘴気しょうきを自分の中へ




自ら引き込んでしまうところだった。








落ち着こう。














気をゆるめてはいけない。

















僕「すまない。父さんと母さんが・・・




  たたかっていたんだ・・・・・。」





 「でも・・・・力が及ばず・・・・」







事実を伝えるために、





その言葉を口にした瞬間、





現実を自分に今一度突きつける事になり、





喉元が締まり・・・





同時に頭の中がグラグラ揺れて





吐き気が襲ってきた。





友「え・・・・・?〝いち″を持つあの方々が??」





 「まさか・・・・・」





全身の身の毛がよだち、途端とたんに顔が青ざめていく






そんな僕の様相ようそうを見た友人は、事実をさと







「嘘だろ・・・」とつぶやいた。








僕「弟たちを、頼めないかな・・・?




  この子達はまだ何もすべを持たない。




  結界をまとわせてある。





  とにかく距離を取れば、気取けどられることはないはずだ。」







まずは弟たちを、安全な場所へと必死に伝える。







友「それは・・・もちろん。任せてくれ。」


 「それで・・・君はどうする気だ?」





そう問われた僕は、







「自分に出来る限りの事をやってみるよ。





 あの魔の物は、致命傷を負っている。





 だから、もしかしたら僕でもめっすることが





 出来るかもしれない。







 あるいは・・・時間稼ぎくらいには。」


と答えたが、









なんだかもう、






思考することをやめた項目が







自分の中に出来てしまっていた。











覚悟を決めるなんていう心の強さは、











未だ持ち合わせていない。









だから考えることをやめた。






















続・・・・・・



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