Life3-12 水着最高!水着万歳!

 翌朝。今日も今日とて快晴。


 ひとまず現地でできることをしようとなった俺たちは【エルフの宝樹】の前にやってきたのだが……。


「……あれ、なんだろう?」


「さぁ……? ただカルネアさんの殿方のみなさんが作業されているみたいですが……」


「……ここから見る限り小屋、かな。珍しいね」


「珍しいのか?」


「ああ、エルフは住居に関してはツリーハウスしか作らないから」


「へぇ……」


 しかし、間違いなく積み上げられていくのは小屋の形だ。


 それもずいぶんと簡素な……一時的にしか使わないくらいの。


 遠目からでもドア、窓と必要最低限な作りに見受けられる。


「……はやく川遊びしよ」


「……そうだな。俺たちに関係あるなら、また後で呼びかけられるだろう」


 レキがグイグイと袖を引っ張るので、そちらへと足を向ける。


【エルフの宝樹】の周りには川が流れていた。


 水が澄んでいて、とても綺麗だ。


 深さも足首ほどで、底まで見える程度には透き通っている。


「とりあえずこれで出てきたらいいんだけど」


 ひとまず俺たちはこの川で水遊びをすることにした。


 純粋な愛の定義がよくわからない以上、何でも思いつくことはするべきだ。


 俺たち四人は夫婦で、こうやって楽しい思い出を過ごすのも家族愛を深める時間になると思う。


「わかっていますか、ジンさん。ただ川で水遊びをするんじゃなくて愛を見せつけながら遊ぶんですからね」


「具体的には?」


「イチャイチャすればいいんですよ! 普段よりもスキンシップも激しめにいきましょう!」


 この性女、ノリノリである。


 大義名分を得たユウリは無敵だった。


 リュシカにこの川の存在を聞いた瞬間、【転移魔法】で王城まで水着を取りに帰ったくらいだ。


 いかに本気なのがよくわかるだろう。


「それじゃあ、ひと遊びといきますか」


「「「お~!」」」


 俺は服を脱いで、濡れない場所へと畳んで置く。


 水着は持ってきていないが、男の自分はパンツ一枚で十分。


 そろりとつま先から水面へと沈めていく。 


「あぁ……冷たい……気持ちいい……」


「……うん。えいえいっ」


「わぷっ! 水かけるのがはやい!」


 いちばん水遊びを楽しみにしていたレキが水をすくって、こちらへと投げてくる。


 俺の可愛い幼なじみはフリルが付いた水色ワンピースのシンプルな水着を着用していた。


 小さなレキには幼い顔立ちもあって、こういう可愛いタイプがよく似合う。


 一部、お子様ではない部分がドンと膨れ上がっているが……。


「懐かしい。昔はこうやってよく遊んだ」


「そう考えたらこうやって水遊びをするのも久しぶりだな」


「うん。だから、すごく楽しい」


 ピスピースとダブルVサインを作るレキ。


 片手で水をすくっては俺にかけ、すくっては俺にかけ……は、早い! 楽しいのはわかったけど、反撃できないくらい水をぶっかけられていた。


「おっ、やっているね、二人とも。私も混ぜてもらおうかな」


 次いで入ってきたのは長い髪をお団子にまとめたリュシカ。


 胸元をフリルで囲まれたビキニを着た彼女は珍しく女性がうらやむほど細いお腹が露出している。


 彼女のくびれた腰にはパレオが巻かれていて、より彼女の長い足が美しく映った。


「……どうかな、ジン? 見られて恥ずかしくないスタイルはしていると自負しているところなんだが……」


「……うん、すごくいい。とても似合っているぞ」


「ありがとう。……あー、それでなんだが、ジン。よかったら……触ってみないか? ここ……」


 そう言って、リュシカが指さしたのは自分のお腹だった。


「えっと……いいのか?」


「ああ。私はいろんな場所をジンに好きになってもらいたいから。太ももはすでにご執心みたいだし……なら、次に自信があるのはここかなって」


 リュシカのお腹……普段は黒の帯ですっぽりと覆われていて絶対にお目にかかれない部位だ。


 今だって滅多に見られないおへそがこんにちはしている。


 触りたい欲がないといわれると嘘になる。


「私もいつもよりふれあいは多い方がいいと思うし……だから、ひと思いにやってくれ」


「……わかった」


 俺はそっと両手を伸ばし、リュシカの細いお腹を掴んだ。


「ひゃんっ」


「……もちもちだ……」


 決して太っているわけではない。


 肌質なのだろう。触れた手を離さないとばかりにお腹の肌が吸い付いてくる。


 なにより指先から伝わる女性の生身のリアルな質感が俺を興奮させていた。


「ど、どうかな? 楽しいかい?」


「ああ、すごい未知の体験をしているみたいで……」


「そ、そうなんだね。それならよかった」


「…………」


「………………」


 見つめ合っているのに無言の時間が続く。 


 ……まるでこのままキスまでしてしまうような雰囲気で――


「……ジ~」


「……お二人とも盛り上がっていますね」


「きゃっ!?」「うおっ!?」


 レキとユウリに声をかけられて、彼女たちがいたことを思い出した。


 いつのまにかすごく密着していたらしく俺とリュシカは慌てて距離を取る。


「わ、私はその……これも純粋な愛を見せるために頑張っただけで……!」


「そ、そうだ! だから、無罪! 俺たちはセーフ!」


「別に浮気じゃないんですからジンさんは堂々としていていいんですよ?」


 ……はっ! それもそうだ。


 つい二人の世界に入り込んでしまっていたから言い訳が口からペラペラと出てきたが、リュシカもユウリもレキも俺のお嫁さんだった。


 ……なんだ、この最強の布陣。無敵か?


 今さら自分の置かれている状況の強さを自覚した。


「確かに私はイチャイチャしようと言いましたよ? でも、今の雰囲気は見逃せません」


「ど、どうして……?」


「ジンさんの初キスは私がいい……! それとこれとは話が別……!」


 すさまじいほど私欲だった。


 まぁ、振り切れているのはユウリらしくていいと思うが。


「というわけで、ジンさん! 次は私を見てくださいねっ」


「ああ、わかった」


「ちょっと待ってください。なんで悪霊を見るときみたいに指の隙間からなんですか?」 


 そうはいっても、それこそヒモだけみたいな過激な水着なんじゃないか……とおそるおそる視界に入れていく。


「……あれ?」


「どうしたんですか、ジンさん。私を凝視して……惚れ直しちゃいました?」


「惚れているのは元々なんだけど……思っていたのと服装が違ったから」


 ユウリはサーフパンツに白のTシャツという肌色成分少なめのコーディネートだった。


 裾の部分を結んで、お腹の部分は見せているがずいぶんとかわいらしい服装である。


 ユウリはそんな俺の反応を見て、してやったりといった感じだ。


「もっと過激なのを着てくると思いましたか?」


「正直に言えば……はい」


「確かにそれも考えましたけど……ジンさん。肌を見せるだけが魅せ方じゃないんですよ?」


 パチンとウインクするユウリ。


 彼女は川の水をすくうと、シャツの上から自分の胸元にこぼした。


 こ、これは……!


「ふふっ……濡れて中身……透けちゃってますね?」


 重たくなったシャツは胸にくっつき、肌色が浮かび上がってくる。


 つまり、彼女の谷間にモザイクがかかったような状態だ。


 もう一度、ユウリが水をこぼせば今度は肌色を囲うように桃色が覗けた。


 おそらく彼女がシャツの下に着けている水着の色だろう。


 ……なるほど。これはとてもエッチだ……。


 さすがは性女。自分の体がどうすればいやらしく映るか完全に把握している……!


「……どうですか、ジンさん? 見たくなっちゃいましたか……って、聞くまでもなさそうですね。ここに集まっちゃってます、熱い視線が」


 ユウリはシャツの上から自身の豊満な胸を指で押す。


 ズプズプと沈んでいく様から、どれほど柔らかいか想像に容易い。


「遠慮はいりませんよ? どんどん触ってくださいね」


「……いやいや、流石に真っ昼間からそんなことするわけには……」


「さっきリュシカさんのお腹を触りまくっていたじゃないですか! おっぱいかお腹のささいな違いですよ! さぁ、遠慮無くどうぞ」


 ゴクリと生唾を呑み込む音が大きく聞こえた。


 も、揉みたい……! 俺はいま猛烈に揉みたい……!


 俺の脳内の悪魔がささやく。


 おっぱいを一揉みするくらいならいいじゃないか、と。


 俺の脳内の天使が注意してくれる。


 こんなに据え膳をしてくれているのに触らないのは失礼に当たる、と。


 意見は一致していた。


「…………あ、あぁ……」


 自然と両腕がユウリのおっぱいめがけて伸びていく。


 いけ……、やるならひと思いに……!


「うぉぉぉぉぉぉ!」


 目を閉じてただまっすぐに両手を突き伸ばす。


 ふにゅん。ぺたん。


 ……あれ? なんだか想像していたのと感触が違うような……。


「……え?」


 ゆっくりと目を開けば俺の手はレキとリュシカによって、彼女たちの胸へと誘導されていた。


 つまり、この手にあるのは二人のおっぱいの感触……!?


「うん。これで万事解決」


「……ユウリの好きにはさせないよ」


 レキはほんのり頬を染め、リュシカは真っ赤になりながらも決して俺の手を離そうとしない。


「……二人とも邪魔しましたね!? それなら私だって……!」


「むぐっ!?」


「「あっ!」」


 視界が真っ暗になると同時に顔面が柔らかな双丘に包み込まれる。


 こ、これは経験したことがある! 


 ユウリのおっぱい沼に今の俺は沈み込んでいる!


 ま、待てよ……? 


 ということは、いま全身の感覚がおっぱいまみれ……!?


 その事実に至ったとき、理性の限界に達した。


「ふふっ、赤ちゃんみたいに寄りかかってきてかわい……あ、あれ? ジンさん? ジンさーん!?」


 意識が落ちる前に聞こえてきたのはユウリの慌てる声だった。


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