お笑い芸人ランキング Sランク編 とんねるず 木梨憲武
木梨憲武 Sランク
ボケ 81 Aランク
ツッコミ 77 Bランク
トーク 78 Bランク
コント 94 Sランク
エロ 95 Sランク
パロディー 100 Sランク+
エンターテイナー 100 Sランク+
お笑い遠距離射撃 100 Sランク+
ガラガラヘビ 100 Sランク+
【解説】
前回に引き続き、とんねるず木梨憲武の解説である。
基本的なことは既に石橋の解説で語り尽くしてしまったため、すぐに能力の解説に入りたいと思う。
ボケはA、ツッコミはBランク。目の覚めるようなボケやツッコミはないが、非常に安定した能力と言えるだろう。
木梨のボケやツッコミの特徴としては、他者や周りの小道具を使って笑いを取るというのが挙げられる。
小細工なしで一人でも笑いを取れるというタイプではなく、どちらかというと自分の周りの人物や物事を上手く利用して笑いを取るタイプのように見える。
いいとも最終回ではステージに関係のない人物を連れて来ようとして完全にスベっていたが(視聴者は笑いの化け物同士の共演が観たいのであって、そんな逃げ腰の中途半端なボケは求めていない)、それがハマる時は笑いになり、ハマらない時はとことんスベるということなのだろう。
では、何故木梨は周りを利用して笑いを取ろうとするのか。
それは、恐らくスベった時の予防線を張るためだと思われる。木梨の本来の実力であれば、自ら笑いを取ろうと思えば取れるはずだが、それで万が一にでもスベったら、それは全て自分の責任となってしまう。だが、他者や周りの物事を巻き込めば、万が一スベっても自分だけの責任ではないと強弁することができる。
木梨はM型芸人のかなり繊細な芸術家タイプであり、その分プライドも高いのだろう、スベって傷付くことをとても怖がっているフシがある。
そのため、けして笑いの最前線に突入しようとはせず、いつも比較的安全な遠巻きから、適当キャラを演じながら遠距離の笑いを飛ばす。
ガンダムで言えば遠距離から砲撃を飛ばすガンキャノンのようなものだが、素の自分ではなく適当キャラを演じ、常に予防線を張りながら笑いの遠距離砲撃を行う木梨は、正に『お笑い界のカイシデン』なのである。
木梨本人が意識してカイシデンになっているのかは定かではないが、たとえ無意識であったにせよカイシデンになっていることは事実であり、筆者としてはガンダムに乗り込んで最前線で傷付きながら戦う木梨の姿を、一度は見てみたかったと思う(ニュータイプがあれだけいたいいともの戦場では、それも難しかったとは思うが)。
トークはBランク。トーク自体があまり得意ではないようだが、その理由は後述のコントの解説に譲りたいと思う。
では、そのコントについてであるが、木梨のコント能力はかなり高いレベルにある。全芸人の中でもトップクラスである。
この解説を書くにあたって、筆者は『みなさんのおかげです』のコントを改めて見直してみたのだが、笑えるものもあれば笑えないものもあった。
だが、その笑えたものを整理していく内、筆者はある不思議な事実に気付いた。
『あれ?笑ったのって、ほとんど木梨のところだ』
そう、笑ったのはほとんど木梨が演じる役だったのである。
これは筆者にとって新鮮な驚きであり、木梨は役を面白く演じる能力が著しく高いレベルにあるのだ。
世間一般でも木梨のコント能力はある程度評価されてはいるが、それでも過小評価であると言い切れるほど、木梨のコント能力は非常に高いレベルにある。
ならば、何故採点は94なのかと言うと、前回の石橋の解説でも語った通り、パロディーコントを主としているところ。
その減点がなければ更に上の点数を付けたはずだが、減点もあり94点に留まった(それでもコント能力では現在松本に次いで堂々第二位の高評価である)。
前述のトークが苦手というのは、こういったコントの天才肌によくあることで、木梨はテレビで喋りまくるというより、どちらかというと黙々と作品を作り込む芸術家タイプであり、本人もその方が性に合っているのだろう。
エロ、パロディー、エンターテイナーについては石橋の解説で語ったため、割愛したいと思う。
お笑い遠距離射撃最高評価については、前述のカイシデンの解説に目を通された方には言わずもがなだろう。
最後のガラガラヘビ最高評価。基本的には石橋の解説と同様であるが、最高評価の理由として、一つの狂気的なコントをご紹介したい。
それは『タクシードライバー』というパロディーではない、とんねるずの毒気全開のオリジナルコントである。
非常に作り込まれた完成度の高い内容となっており、とんねるずの演技力も素晴らしく、筆者はこれを観てとんねるず両名のコント高評価を決めた。
もう少しで念願の個人タクシーになれる男(木梨)と、そこに偶然乗り合わせる客(石橋)という設定でコントは始まるのだが、詳しい内容はここでは明かさない方が良いかと思う。
これはもう動画を観て頂くしかないのだが、ガラガラヘビの『猛毒』を思う存分堪能できる内容となっていることは間違いない。
これと似たようなコントで言えば、『かもめんたる』のような狂気を孕んだコントが浮かぶが、とんねるずが本来やりたかったのは、テレビ用に毒を薄めたパロディーコントではなく、凄まじい猛毒で観ているこっちが毒されてしまいそうな、こういった狂気的なオリジナルコントだったのかもしれない。
現在は芸術家の方にシフトして、あまりテレビの仕事はやる気がないように見える木梨だが、こんなに素晴らしいコントの才能があるのだから、もう一度石橋とコント番組をやってほしいと思うのは、今のがんじがらめのテレビ業界では到底無理な注文と言うべきか。
もう一度。
もう一度。
そのガラガラヘビの凄まじい猛毒に毒された我々は、毒があると分かっていながら、怖いもの見たさで何度もその蓋を開けてしまうのだ。
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