誰にでもあり得る

 例えば、なんとなく電車で立つ人がいるくらいの混み具合なのに、なぜか埋まらないその一席。

 他にも、夜の学校や公民館を帰り道に通る時、なんとなく窓の奥、建物の中が気になってしまう。

 あとは、花火をしているとき、火の粉が舞っているその先、暗闇の向こう。

 夏は海だよね、とロマンチックを求めて夜に岩場へやってきたら、海は黒く全てを飲み込むような先の見えない闇があったり。

 冬はスキーだよね、とゲレンデへ行き、悪天候ほどスリルを感じてしまう時があったり。

 それと似たように、台風が近付くと風の強い中外へ出てみたいと思ったり。


 誰にでもあり得る感情の中、一線を超えてしまうと、知らない世界が見えてしまうかも知れない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る