第9話 会話
遺跡と言っても
王族の城とつながってる遺跡だ
管理が道中も行き届き
なにかわからない刺客が
時たまくるだけで
比較的、平和に遺跡の入り口には着いた
ユーリーが遺跡の前で聞く
「気になってたことがあるんですけど
いいですか?」
カモーナが返事をした
「構わんが、たぶん答えられないと思う」
「えっと姫君が刺客を?なわけないですよね・・・
・・・ここまで邪魔してきた人たちはどこから」
想像通りの質問に
カモーナは苦笑する
「だから、分らない。自分たちになら
いくらでも心当たりはあるが
そろそろ排除しきってる」
「王族関係とは別物だろうな
たぶんこの国とモルディア王国が結びついて
面白くないと思ってる組織か」
こちらはダンテ
「とにかく遺跡までは
入ってこないさ
遺跡の魔物は襲ってくるだろうけどな
そっちは一緒に戦ってもらうぞ」
「はい!初戦闘ですね」
と嬉しそうなユーリー
だが・・・その笑顔は30分後には
息切れと弱気な顔がありありと見て取れた
「魔1、物2、不可視1って感じだな」
苦笑で言うダンテ
「魔物強すぎませんかー」
「ユーリーの買った遺跡の魔物はもっとつよいはずだ」
「ひぇー。当分行けない・・・」
「そもそも遺跡をソロするには実力がパーティの何倍もいる」
そこから、また半日ほど過ぎた
「ダンテ、どうだ?」
「罠まで仕掛ける気は無いみたいだが
ずっと気配は見え隠れしてる
強い敵が来ないのも姫君が干渉してくれてるからだろう」
「そうか・・・ならば・・・」
とカモーナは声を張り上げた
「姫君と話がしたい!」
「おいおい、譲歩できる要素何もないぞ」
「でも、聞いてみない事には進展もないと思う」
一人のとても上品な声がどこからか響いた
「お話は聞きます。姿は見せません。強行にでられても困りますから」
「遠声の魔法か・・・それでもかまわん
信用したら顔をみせてくれ」
「私を助けるために、依頼を引き受けてくれたわけではないのでしょう?」
「ああ、俺たちはforestだ。断れぬ事情で引き受けた
だから、どうあっても連れてくことにはなるが
いくつか確認したいと思ってな」
「女性の声から俺と聞こえるとは思いませんでした
姿が見えなければ子供の声かと思いますよ?」
「カモーナというよろしく。男言葉でも使わないと男払いが面倒でな」
「名前は知ってます。美しい人でしたのね、びっくりです」
「それはいい、政略結婚は王族のつね、いずれ他国かもしれんが
政略結婚で嫁ぐことは解ってるはず
何故、逃げる。好きな男でもいるのか?」
「いません。ですがモルディアは一夫多妻、しかも実質は捕虜です
幸せになれるとは思いません」
「ふふ、その言葉を待ってた。幸せになれないと何故決める
俺は諸国も出入りしているが
モルディアに嫁いだ姫の不幸話など聞いたことはないぞ」
「幸せな話も耳にはしません」
「そうかな?」
「違うと?」
「モルディアに行って確かめるほうが早いのだが
納得はしないだろう。取って返して約1か月・・・ここで過ごせるのか?」
「・・・城のメイドなど数人
「そうか、なら話は終わりだ
モルディア王を連れて来る
わざわざ迎えに来れば嫁ぐに値するだろう?」
「それだけではなんとも言えませんが人なり姿なりは拝見できますね」
こうして、カモーナの鶴の一声に近いもので
3人はモルディアを目指すことになる
「おいおい、王を他国へ連れて来るなんて真似できるのか」
「認識がある。姫君を説得するには材料がほしいだろ。ついてきてもらうさ」
ユーリーは二人のやり取りを黙々と歩きながら聞いていた
というか、黙々と歩くしかない距離を歩かされていて声もだせないでいた
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