第21話 精霊

「へへっ。綺麗だろうかすみにやったら喜ぶかな」

「鎖から抜けちゃったのかしらね止め具ついてるし」

「警察届けたほうがいい?」

「そんなどこで落としたかもわからないものどの警察に

預けてもむりじゃない。」

「じゃあもらっとこうっと」

このとき私、美穂はそれがなんでもないアクセサリーの

一部だとおもっていた。


それから2.3日の間に町から噂がたった

街角に幽霊がでると

幽霊と言われると私たちの分野じゃないのだが

そっちの退治屋も引き受けている唐次郎さんと一緒に

街角に行ってみた。幽霊はそこに確かにいた

返してと私の石を返してと

唐次郎さんが言う

「これは幽霊じゃないな精霊だな」

「だとうちらの分野か」

石ねぇ…ポンと手を打ってポケットベルを鳴らす

ものの10分ほどで自転車を動かしてかずみ君が来た

「石持ってきたけど…ほへー綺麗な幽霊だな」

「精霊だそうよ」

「あった石」幽霊がそういうとすーっと石に溶け込んでいく

「ちょっこの後どうすればいいのよ!」

「こらでてきなさいどうしたらいいか指示しなさいよ」

石をぶんぶんふる応答無し

「どうしようこれ…」

3人は途方にくれた


「とにかく夜だし明日の昼間考えましょう」

「この石はかずみ持っとく?」

「うん。拾ったの俺だし」

私は自分のネックレッスを取ってトップをはずす

かずみの持つ石を通してかずみの首に止めた

「男がネックレッスってちょっとはずかしいな」

そういいながらまんざらでもなさそうだ

3人歩いて帰っていった


私は帰るとS区のセンターに連絡をとった

チィジジ

「そういうわけで

手元に石が残っちゃってるのだけど

持ち主探すのなんて不可能ですよね」

「一番楽なのは本人に聞くことでしょうね」

「それができるなら困らないけど…」

「いるじゃないですか。かえでちゃん」

「へ?」「あー属性変えて無理やりでてこさせる?」

「そんなことしなくとも普通に呼び出せますよ」

「属性変化は精霊使いの最終過程だからたぶん

普段使わないだけで召還もできるはずですよ」


ということでかえでちゃんの帰りを待つことにした

「かえでちゃんおかえりー」

「話があるんだすきやき食べていかない?」

「すきやき!聞きます聞きますもうはらぺこで」

いとも簡単に撒き餌にくらいついたかえでちゃんであった

「でね。結局かずみくんところに石がのこっちゃってるんだけど」

「固有の石から精霊の呼び出しですか?」

「難しいかな?」

「できないことはないんですけどね…私飲み込んじゃうことあって」

「あんまりしたくないなーとか」

「飲み込むって力を吸収しちゃうの?」

「そうなんです」「発動も暴走するし」

「なので属性変更しか力は普段使わないのですね」

「そっかー強制はできないけど考えといて」

「やりますよ」

「あれあっさり決めるね」

「ここでひっこんだら親父様に大目玉くらう」

「失敗の積み重ねに成功があるそうなんです」

「間違っちゃいないけど度厳しい父親ね」

「ははは、今は羽伸ばして休んでられますから」

「一人暮らし楽しい?」

「はい。それにここではひとりじゃないし

こうしてほら卵もう一個いいですか?」

「はいはい」食べる食べる一鍋食べきっちゃいましたよ

食べ盛りとはおそろしいものです

「じゃあさっそく日曜日の夕方にでも」

「部活最近力入ってるね」

「全国試合前ですから」

「なるほど、じゃあよろしくね」

「はい。頑張ります!!」

そして雄一郎の分のすき焼きを再び私は作り出した

私らは…「てるちゃん卵ごはんでいいかなー?」

「はーい。たまご。たまごころころたまご。」

さてはていつまで騙せるやら私らの分まで食べちゃったからねぇ


一週間なんてあっというもの日曜の夕方がやってきた

管理人している私がずぼらなせいで各自の部屋がどうなってるか

全然しらないでいたのだがかえでちゃんの部屋は整然としていて

難しそうな本が沢山ならんでいる壁にはいくつかの魔方陣

がさごそと持ち出してきたのも5方星の大きな魔方陣の紙

本当は一回一回墨で地に書くのが正式らしいが

部屋でそれをやるとすぐ真っ黒になるので簡易式らしい

中央にかずみくんから受け取った石を置き

なにやらわけわかんないことをつぶやいて10分20分

かえでの額から汗が落ちる30分ぽーっと精霊がでてくる

「なによーもう休みたいのこれ以上こきつかわないでよ

ほっといてくれるわたしはもう働きたくないの」

綺麗な割には口が悪い

「ほっといてもいいけど道端にまた石おとしとけばいい?」

「う…それは簡便」

「召還して何をしようというわけじゃないのよ?」

「ただ持ち主はだれ?どうやって保管すればいい?」

「持ち主には渡さないでお願いだから。やっと逃げたのに」

「私が逃げたと知って石をあいつ捨てたのよ道具としかみてない」

「じゃあどうすればいい」

「持ち主はこの男の子でいい?召還の方法もしらないわ」

「それか実家の倉にしまうかこれだと100年たっても

誰も触らない可能性ありよ?」

「あなたがいいわ。召還の使い手なのでしょう?

子供に伝えてくれればそれでいいじゃない

その頃には力も疲労も復活してるかも」

「冗談じゃないあぶなっかしいんだから、やっぱり倉行きね」

「それともかずみくん持っとく?」

「欲しいけど俺精霊のことなんて何もしらないし」

「大丈夫寝たいだけだから誰が持ってても問題なし」

「ただいらなくなったら私にくれる家の倉にしまうから」

「それでいい精霊さん」「ファクラファームよ私の名前」

「かずみ君聞こえた?精霊の名前」

「今のは私とかずみくんしか知らないから後前の持ち主もか」

「これで契約はすんだわこの石はかずみくんのもの」

「眠りたいそうだからあまり呼び出さないでね」

「ただのアクセサリーとおもっときゃいいんだろ?」

「俺精霊なんか関係ないし」

「向こうから勝手に干渉することはあるけどね」

「そなの?」「おしゃべりででしゃばりみたいだから」

「うるさいわね、きこえてるわよ」「あ、ほんとだ」

「えーと半分口パクにしか見えない私たちはどう反応したら?」

と私が聞いてみる

「簡単です精霊が自分の名を明かすことによって主を認めます」

「今その儀式がすんだところでこれで正式に石はかずみくんのものです」


かずみは嬉しそうにネックレッスをしてた

「学校にははずしていきなさいよ。からかわれるわよ」

「それに没収もされかねませんしね」

「わかったお守りんなかいれとく」

「さすがにおまもりまで没収する先生はいないわね」


こうして精霊をひとり回収してまた変な住人が増えた

はたしてかずみでコントロールできるのか?

それはまたの話でしばらくはお休みいただきましょう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る