第67話 守護者の責務

 酒場にはすでに、マルーシャとニノ、そしてブラドヴァが来ていた。

「体の具合はどうだ?」

「問題ないです。しっかり休めたので」

 師匠の問いに、ブラドヴァは力強くうなづく。

「しばらく寝たきりで体がなまってしまいましたが、今日はそれを取り返せるよう奮戦してみせます!」

 相変わらずの、まじめな答え方だった。

 不死者により生命収奪エナジードレイン

 生命力エナジーを奪われたものはしばらくの間虚脱感に襲われ、まともに生活することすらままならなくなる。

 「まるで経験レベルが下がったようだ」と形容されることもあるように、強力なアンデッドに生命力を奪われると、熟練の戦士ですらまともに体がうごかせず、しばらくは新兵のような動きしかできなくなるほど弱るらしい。

 幸い、ブラドヴァはそこまでひどい症状ではなかったようだ。ハウゼンもよい療養環境を与えてくれた。

「彼は大切な商品ですからねぇ。きっちり仕上がってくれないと、困るのですよ。フッフッフ」

 そう言うハウゼンの不敵な笑みが脳裏に浮かぶ。

「そうか。病み上がりなんだし、あまり力むなよ?」

 気持ちが前に行きすぎてることだけが心配だったが、ブラドヴァはそんな師の心配を払拭するように、はいっ、と明るい声で答えてみせた。


 ベレゼンは先日の事件の後始末が終わらず、結局参加できないそうだ。

 もしかしたらしばらく、ザナドゥ探索には加われないという話すらされたと、マルーシャは店の者に言われたそうだ。

 広場の周囲の建物を焼いたのだ。解決も容易ではないのだろう。

「ヨシル姉ちゃんも修理と再調整にしばらくかかるってさ」

 その破壊の主たるヨシルも自らの行いの報いを受けた。

 腕も外れていたし、あれだけオーバーリミットで暴れれば、いろんなとこに問題が生じたのだろう。

「壊れてくれていいんだよ。こういうのは壊れてからが本番だ。壊して壊して、不具合を出し尽くして、本当の完成に近づけるんだ」

 クイジナァトはそう言ってたそうだ。

「どうする? 四人でいく?」

「そうだな。四人でいこう。今日はブラドヴァのリハビリメインで」

「よろしくお願いします!」

 力強い答えだった。長らく休養を強いられたブラドヴァの体は、今は闘気で満ちていた。



「ベレゼンさんとヨシルさんの代わり、考えておいたほうがいいかもしれないわね」

 ザナドゥに向かう道すがら、マルーシャが言う。

 ニノとブラドヴァはオデンたちの前を歩いてる。例によってニノがブラドヴァの先輩風吹かせている。

「もともとこの四人でザナドゥに挑んでたとはいえ、警備が厳重になったザナドゥの奥に向かうには少し不安だな」

「前衛が一人、後衛が一人といったところね」

「酒場でスカウトするか?」

「酒場に集まってる冒険者の中で、あなたの目にとまった人はいたかしら?」

「いや…」

 元宮廷魔導士チェルシーの弟子のベレゼンと、チェルシーの創造物であるヨシル。この二人は、なにもかもがスペシャルだった。

 あの二人に匹敵する戦力になりえる存在は、そういないだろう。

 改めて、チェルシーの偉大さを思い知る。

 彼らほどのスペックを求めなかったとしても、酒場に集う食い詰めものの冒険者にオデンたちの使命を手伝えるほどの力量があるものはそう多くない。

 それほどの力量があるものならば、自らのパーティを募りザナドゥに挑んでいるだろう。


 そういえば最近、地下二階で手に入る宝物が良くなったとの噂を聞いた。


 敵が強くなったからなのかとも思ったが、ゴジャール側が二階に高価値な宝物をばらまき、そこで冒険者たちを満足させて先に進ませる意思を削いでいるのかもしれない。

 リーダーが先に進みたいと言っても、他のメンバーが二階での稼ぎで満足し、リスクをとらないという選択をすれば進めない。

 迷宮の冒険は、たった一人で竜王を倒すほどの実力でもない限り一人ではできない。先に進む戦力が確保できないままの強行は死に直結する。


 宝物を高級なものにすることでパーティ内の分断を誘発させる。

 ユタリンこと耶律唯忠理なら、は考えてそうだ。


「そうそう」

 マルーシャがあごに人差し指をあて、空を見上げた。

「実は最近、北方から来たという司祭ビショップが大聖堂にやってきたわ」

司祭ビショップ?」

「ええ。私たちとは違う宗派カソリック。正教では主教と同じ位の高僧よ」


 カソリックとブリンガルの国境である正教は共に神の子を救世主として信仰する宗教だが、その二つは西のローマと東のコンスクラードにある教会を本山として分派し、時には正統性や利害をめぐって激しく争ったり、時には迫る異教徒と共闘するなど集散離合し、現在では同一宗教の別宗派としてゆるく共存しあっている。

 とはいえ、ブリンガルの国教は正教のためカソリック教徒は少数であり、この国を訪れるカソリックの聖職者はなんらかの訳ありであることが多い。

 例えば先日ザナドゥで捕らえた旅の尼僧も、西の方からきたカソリックの元修道女だと言っていた。


「そんな高位な聖職者がなぜこんなブリンガルの辺境に…」

「どこかでザナドゥの情報を聞いたらしくて。大聖堂でザナドゥに入る方法を聞いていたわ」

「ふむ…」

 司教という高位の聖職者がなぜ…という気持ちはあったが、よく考えたらあの戦闘大好き暴力聖職者、バスタバンも驚くべきことに主教である。

 性格人格は別として、信仰心が高く神の教えへの理解が高ければ出世できる世界なのかもしれない。宗教界の閉鎖性をなんとなく感じさせる話だと、オデンは勝手に思った。

「その司教も、何か裏がありそうなのか?」

「そんな大げさなものじゃないんだけど、なんか苦手でね。性格アライメントが合わないというか。でも、旅慣れている感じだし、司教なら僧侶の呪文ばかりでなく魔法使いの呪文も唱えられるし、戦力になるかもしれないわ」

「マルーシャが苦手なら、そんなヤツ仲間にしないほうがいいんじゃないか?」

「でも、背に腹は代えられないわ。早くねる子さんを助けないと、いけないんでしょう?」

 そういわれると、何も言い返せないオデンだった。

「明日にでも紹介するわ」

 



 ザナドゥに到着し、地下二階へと赴く。

 まばらだが、オデンたち以外のパーティの姿もあった。


 死傷したメンバーを背負って出口に向かう、帰還途中のパーティともすれ違った。

 そのような光景を見ても、ブランクがあるはずのブラドヴァはおびえることはなかった。むしろ、いくらでも戦いたいという闘志と向上心にあふれている。

 無理矢理傭兵にされた俺と違って、いい戦士になるんだろうな、オデンは思わずにいられなかった。



 いくつかの玄室を攻略した後のことだった。

 室内の床に、全滅したパーティの死骸が転がっていた。

 死体の状況は様々だった。バラバラに切り刻まれた者、ひどい凍傷にかかり紫色の肌になった者。なんにせよ、惨状というにふさわしい光景ではあった。

「こいつはひどいな」

 オデンは思わずつぶやいた。

 こういう光景は戦場でも見たことがある。たいてい、一方的な虐殺を受けた後のものだ。実際、背中に爪痕を残された死体もあった。逃がしてもらえなかったのだろう。

 どれほどの敵が、このパーティの前にたちはだかったのだろう。

 「…」

 マルーシャは死体のそばに跪いていた。

 死者のために祈っているのかと思っていたら、そうではなかった。

 彼女は転がった死体を観察して、彼らの死の原因を探っているようだった。

「なにかわかったのか?」

 オデンが背中に声をかけると、マルーシャは立ち上がって彼の方を振り向く。

「今日はここで帰らない?」

 突然の提案に、オデンたちは面食らう。

「ええ、だってまだザナドゥに入ったばかりですよ?」

 ブラドヴァが抗議めいた言葉を発する。

 無理もない。エナジードレインのせいで戦えず、なまりになまった体と闘争心をようやく解放できているのだ。

「オデンはどう思う?」

 マルーシャに問われ、オデンはブラドヴァの顔を見る。

 若いドワーフの戦意のたぎりを感じるのは、オデンもまた戦士だからであろう。彼のモチベーションをくじくような真似はしたくない。

「先生、私はまだ帰りたくないです!」

「そう。わかりました」

 オデンの決断を聞く前に、マルーシャは提案をひっこめた。

 不満な表情は見せなかったが、ただ唇を一文字に結んで深く頷いた。


 そんなやり取りの横で、ニノは死体から遺品や財布を集めていた。

 迷宮で手に入る「遺品」は、冒険者にとって主な収入源である。


 今、デルピュネーはザナドゥを中心とした経済圏が生まれつつある。

 そこで流通するザナドゥから入手された物資は、何も墓所の宝ばかりではない。このように、ザナドゥに挑んで斃された冒険者たちの遺品も取引される。


 ベレゼンが落とした「流星」の噂は広がり、ザナドゥの丘の上が安全になったと知るや露店も復活しだした。

 ザナドゥはカネの匂いがする。利にさとい者たちが放っておくはずがない。

 このような露天商は、カロヤンの取引所などでは取り扱ってくれないものも買い取ってくれる。迷宮で命を落とした冒険者の遺品はもとより、例えば用途がわからない彫像や、どこの扉のものともわからない鍵などだ。


 戦場でも、付近の農民などが戦死者の装備を剥いで商人に売るという行為は当たり前に行われるし、そのような死者の装備を買い取る業者も傭兵団についてくる。それが迷宮内で行われている、ということだ。

「こういうのって、聖職者目線だとどう思うの?」

 難しい顔をしていたマルーシャに、何気なくニノが尋ねた。

「所有者を失った金品は、ただのモノですからね。天国に持っていけないのだから、生きている人たちが使った方がいいでしょう?」

 なにを今更という顔をして、マルーシャは答えた。

「死んだ人を身ぐるみ剥ぐのは冒涜とか言わないんだ」

 今まで身ぐるみ剥いでたニノが言っても白々しいが、その質問の答えにはオデンも興味があった。

「今まさに飢え死にしそうな人がいたとして、死者の持ち物だからと彼が持っていた食べ物に手をつけないことは、正しいことかしら?」

 だが、マルーシャは答える代わりに問答を始めた。

「死んだ人はすでに死んだ人。蘇生の魔法を使えば蘇るかもしれないけど、事実として死んでいる。その人が死んだという事実は変えられないけど、その人がもう食べられなくなった食べ物のおかげで誰かが生き残れば、新たな死は防げます。なら、聖職者としては死を避ける方法を推奨します」

 そこまで言うと、マルーシャは大きく息をついた。

「私は300年前のゴジャール侵攻の時、滅びゆくキエルフからブリンガルへと逃れてきました。いくつもの死者のものを我が物として生きのびました。罪悪感がなかったわけではないですが、この世は生きるもののためのもの。なら、生きてる私たちが死者のものを使うことに躊躇することはないと思うのです」

「ふーん」

 理路整然と答えられてしまい、頭がおいつかなくなったのか、ニノはすっかり自らの問いに興味を失ったようだった。

「お墓に供えられた食べ物だって、時期がくれば聖堂が回収して処分しているんですよ。死者は食べることができないですからね」

「そういうの聞くと、神様とかお寺ってなんのためにいるのかなって思っちゃうね」

「人間が抱えきれない罪を代わりに背負ってくれてるんだよ。神様は」

 マルーシャの代わりに答えたのはオデンだった。

戦士ひとごろしなんてやってるとな、誰かのせいにしないとやりきれない時だってあるんだよ。そういう時に、神が許してくれたと思うと気持ちも軽くなる。だから神に罪を告白して許してもらう懺悔もあるんだろう?」

「なんでもかんでも神様のせいかー。罰当たりじゃないのかな、その考え方って…」

 少し呆れたようにニノはいった。

「だから悪いことやってるヤツは、お寺に大金を寄進してるんだろう? 罪の重さ以上のお金を払って、良いことしたって思って罪を許してもらった気分になるんだ。贖罪ってやつだよ。奴隷商人のハウゼンなんて、どれだけ大聖堂に寄進してるか」

「あー」

 ニノは妙に納得した。現実主義的なデッテらしい反応だ。

「でも自分で悪いことしてるって自覚あるのだから、ハウゼンさんは案外と善人かもしれないですわね」

「あんまりハウゼンさんの悪口言うのやめてください! ああみえて、いいところもたくさんある人なんですよ!」

 ブラドヴァの抗議で、この話は終わりを迎えた。



 それから三つ目の玄室に入った時だった。

 その玄室に巣喰うモンスターはいなかったが、ほぼ全滅に近い六人パーティが転がっていた。

 四人は事切れ、残り二人は壁を背に座り込んでいる。戦士は大きく疲弊しているが命には別条がなさそうだが、もう一人の盗賊は皮鎧を引き裂かれ、自分のものか、それとも敵対者のものとも知れない血でまみれていた。


 今日はどうなっているんだ?

 確かに二階の魔物は手強くなったが、今日は様子がおかしい。


「なああんた熟練の僧侶なんだろう? なあ。こいつ、助けてやってくれないか。完治とはいわない。ちょっと傷口をふさいでやるだけでいいんだ」

 戦士がマルーシャに話しかける。

「酒場でさっき会った、それほど知った仲でもないが、やはり目の前で人が死んでゆくのはやりきれない。頼むよ」

 盗賊の方は、息も絶え絶えで命乞いさえできないありさまだった。

「お断りします」

 マルーシャはきっぱりと答えた。

「え、なんで?」

 ニノは目を見開き、マルーシャに問う。

「私の魔法は、私のパーティを助けるもの。では、他者を助けるほどの余裕はありません」

「そんな冷たいこと言わないでよ」

 ニノはすがるような眼をしてマルーシャの顔を見上げる。

「わかりますよね。オデンさん」

 マルーシャはニノに答えず、オデンに回答を求めた。

「この戦士だってかなりの手練れだ。装備もいい。だから彼は生き残った」

「他の奴らも雑魚モブじゃねぇ。酒場で腕っこきを集めたつもりだったんだがな…」

「それだけのパーティが彼を残してほぼ全滅だ。それだけの敵が近くにいるということだ。それがどういうことか、わからないニノじゃないだろう?」

 オデンの答えにニノはうつむく。

「他者にかける情けが俺たちの誰かの死につながるかもしれない」

 ニノは何かを言いたそうだった。だが、オデンとマルーシャの正論の前に、よい言葉が浮かばない。

 オデンはため息をつき、腰のポーチから薬瓶を取り出した。

「完治の妙薬とまではいかないが、何にも出会わなければ助かるかもしれない」

 そう言いながら、オデンは戦士に瓶を手渡す。

「恩に着る」

 戦士は薬を盗賊に与えると、彼を背負って出口へと向かう。

「この恩はいつか返す」

「期待しないで待ってるよ」

 戦士は振り向かずに頷き、玄室を出ていった。

「さすがオデン」

 ニノはオデンの腰に抱きついた。

「さっきの玄室で拾ったものだ。最初から拾わなかったと思えばいいさ」

 オデンはニノの頭をくしゃくしゃと撫でた。



 オデンたちの迷宮探索は続く。ブラドヴァがやる気まんまんだったので、彼のモチベーションが尽きるまで付き合おうという話になった。

 そのブラドヴァは意気揚々と先頭を歩く。マルーシャはしんがりだ。オデンとニノは二人にはさまれた間で並んで歩く。

「マルーシャお姉ちゃんが、あんなに冷たいと思わなかった」

 ニノが口をとがらせる。

 確かに、マルーシャへの違和感はオデンも感じていた。いつもの柔和さというか、余裕がない。

 二階に降りたときに見た、全滅したパーティの死体のせいだろうか。

「だけど、見て見ろ」

 オデンは親指で後ろを示す。

 二人の後ろを歩くマルーシャは、時折うつむき、強く拳を握りしめてる。

「お姉ちゃん」

 その姿はニノにも、悔恨のあらわれと見てとれた。

「彼女にも聖職者として規範がある。見捨てたことを自責している。そういう葛藤とゆるぎない信念が、マルーシャを一流の武僧として成り立たせてるんだろう」

「それに」

 オデンは言葉を続ける。

「マルーシャは何かに警戒している。今日のザナドゥで起きているなにかに」

「それって」

「俺にはわからないが、マルーシャには心当たりがあるようだ。お前も気を抜かないようにな」

「…うん、わかった」

 そんな話をしつつ、探索者たちにロイヤルスイートと呼ばれてる部屋に入った。

 この部屋は他の部屋に比べてひときわ大きく、また何かを保管してただろう木箱や樽が散乱している。

 読者の諸兄におかれては、外部への隠し扉がしこまれ、チェルシーの牧場の羊が運び込まれてた搬入倉庫と説明すればわかるだろうか。


 今はその隠し扉も埋められ、搬入口バースとしての昨日は失われ、ただの広い部屋となっていた。

 広い部屋なので休憩に適し、複数のパーティがキャンプしているときもある。それでついた愛称がロイヤルスイート、というわけだ。


 しかし、今日この部屋に他のパーティはいなかった。


 いなかったというより、 先客だったはずのパーティは無惨な姿となり、石敷の床に転がっていた。


 その死体の群れの先にいたのは、一人のゴジャール兵だった。

 屋内用の、人の背丈程度の槍を携えた重装の兵士だ。


 ロイヤルスイートという愛称はあっても、この部屋がザナドゥの一部であり、ゴジャールの領域であることには変わりない。

 

 ゴジャールにしてみれば、わざわざ侵入者に休憩室など提供するいわれはないのだ。


「どう見る?」

 オデンはブラドヴァに問う。

「手練れに見えますが、一人でパーティを全滅させるだけの力量があるようには思えません。それに、あの槍だって血にまみれてない」

「上出来だ」


 つまり、あのゴジャール兵がパーティと交戦したわけではないということだ。

 なら、どうやってパーティを滅ぼしたのか。


「また来たのか。ねずみどもが」


 その疑問の答えはすぐに明らかとなった。


 ゴジャール兵は首から下げていた縦笛を吹いた。


 笛の音が響くと同時に、床に魔法陣が展開されていく。

「悪魔のリコーダー!」

 そう。兵士が吹いた笛は、ゴジャールの警備兵が携行する、地獄から悪魔を召喚する縦笛だったのだ。

 魔法陣から、巨大で凶悪なかぎ爪がついた、青いうろこに覆われた腕が伸びる。

 その腕は床を掴んで、ゆっくりと頭と胴体を現世にあらわした。


 羊のものとのヤギのものとも思える大きな角、人間の二倍を超えるだろう青い体躯、殺意と残虐性を秘めた赤い瞳。


 聞いたことはあるが、その姿を見るのは初めてだった。


大悪魔グレーターデーモン…」


 これまで見てきた、いくつものパーティを全滅に追い込んだ元凶が、今まさにオデンたちの前に立ちはだかろうとしていた。


(つづく)


 

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