第41話【たまごボーロ】

 口の中でホロホロと溶けるたまごボーロが好きだという私の言葉に彼は笑った。


 その事をちゃんと覚えていてくれたのか、入院してICUに入った私への初めてのお見舞いがたまごボーロ。

 ──私は赤ちゃんかよ!──


 そう言いながら、ひと粒口に含むと優しさと切なさが溶けだして涙が滲んだ。そんな君が好き。

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