第3話 北海道は旅人変人王国

 最近、仕事が忙しくて、なかなかツーリングにも行けないし(コロナもあるし)、小説も書く暇ないし。


 ということで、今回は故郷の北海道の話。


 北海道、と一口に言っても、とんでもなく広いので、その「広い」北海道をあまり知らずに育った私は、2019年夏に、初めて自分のバイクで北海道ツーリングをやりました。


 そもそも北海道にいた頃は、札幌に住んでましたが。札幌は大都会なので、言わば「小さな東京」みたいなもの。街にいれば何でも手に入るし、わざわざ遠くに行くことがあまりなかったのです。


 で、実際回ってみると。

 北海道は「旅人」が実に多い。まあ、観光で持っている土地だし、魅力的だから頷けるけど。


 同時に「変人」が多いことに気づきました。


 以下、北海道で出会った変人たち。


 変人レベル1

 推定年齢: 20代から30代(男)

「この1週間、ずっと雨の中、北海道をバイクで回ってました」

 私はこの数日前に北海道に来たけど、幸い雨に当たってませんでしたが、天気予報では道東(北海道の東、帯広、釧路、根室、網走くらいまで)は確かに雨予報でした。

(ご愁傷様。雨の中、よく回るな)

 と思うしかなかったです。


 変人レベル2

 推定年齢: 20代から30代(男)

「北海道を1か月かけてバイクで回ってます!」

 思ったこと。

(いや、君、仕事何してんの?)

 普通に考えたら、1か月休み取るとか絶対無理。多分、仕事辞めたんだろうけど、ある意味、すごいし、羨ましい。でも、ちょっと怖くて聞けませんでした。


 変人レベル3

 推定年齢: 20代(男)

「日本一周中」という幟をかかげて、網走刑務所の博物館を歩いている若者がいました。今、思えば、声をかければ良かったと後悔。その時は声をかけませんでした。その人は、どうやらバイク旅ではなさそうだったけど、多分、格好からして自転車乗り。

 思ったこと。

(日本一周ってすごい。でも、北海道は似合うかも)


 北海道という土地は、住んでたから知ってますが、「よそ者」に優しい土地なんです。

 というのも、いわゆる京都みたいに「古い慣習」というのがないから。


 よく本州で「東京から移住して、田舎で農業始めたら、よそ者扱いされて、邪険にされた」っていう話を聞きますが。


 それはあくまで「本州以南」でのこと。


 何故なら、北海道の住人は、せいぜい3~5世代前くらいしか北海道には住んでないから。

 要はみーんな元は「よそ者」なんです。

 明治時代や大正時代に、開拓で移住した人たちの子孫が北海道人。


 だから、元を正せば、東北や北陸出身が圧倒的に多い。ちなみに、我が家のルーツも北陸の石川県です。中には、先祖が四国出身の人もいるとか。

 ウチの母方の叔父の祖先が四国出身です。


 なので、元は「みんなよそ者」だったわけで、古い慣習やしきたりに縛られないんです。


 そういう意味では、「よそ者」の集まりの東京にも似ています。


 だからなのでしょう。

 旅人は、旅をしやすいし、本州からいきなり移住しても、邪険にされることはまずないはず(もし、あったら運が悪いと思って下さい)。


 あと、とてつもなく広いので、札幌から見れば釧路や根室なんて、隣の青森県より遠く感じるわけです。


 実際、道央(札幌や岩見沢、苫小牧、室蘭あたり)に住んでる人にとって、道東や道北(主に稚内周辺)はものすごく遠く感じて、本州で言えば「隣の隣の県」くらいのイメージで、馴染みがないのです。


 なので、私自身が、函館や青森の方にむしろ馴染みを感じていて、函館や青森には何回か行ったことがあります。


 実際、北海道をバイクで回ってみると、広すぎて距離感がわからなくなります。

 中には、「道の駅まで10キロ」っていう看板が普通に立っていたり。

 私は夏休みの9日間を全部使って北海道を周遊しましたが、それでも「足りなかった」。


 そのくらい広いので、冗談抜きに「1か月」くらいは回れる土地です。


 夏には、内地から来たツーリングライダーを毎年のように見かけますが、他にもキャンピングカーで回る人、車で回る人、自転車で回る人、などなど。


 旅人が実に多い。


 あと、メシが美味いので、それだけでも得をする土地です。


 私は、20代の頃、実は海外旅行にハマってた時期があって、色々な国に行きましたが、やはり「メシが美味い国」というのは印象に残るし、また行ってみたい、と思うものです。


 逆に「メシがマズい国」は、ほとんど印象に残りませんでした。


 旅をする上でも、生活をする上でも、「食事」というのは、実はとても重要なのです。


 今回はこんなところで。早くコロナが収まって、また北海道をバイクで回りたいです。

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