第44話 朝の衝撃


「てか髪!切ったの?めちゃ可愛いよ~」

「めっちゃ似合ってる!!」


 真希の髪型はダークブラウンのミディアムヘアを肩口に切ったボブヘアになっている。

 その顔は晴れ晴れとしており、最後に告白で見た時の様子とは違う。


 真奈美さんとかすみがうまくやったらしい。


「めっちゃ可愛いね!!」

「うん、土日には体調良くなったから、暑くなってきたし、心機一転てやつ?」


 これで本当の意味が分かるのは真希フレンズと俺くらいのもんだろう。

 それにしても、べたな決意の仕方だなぁ。

 でもそういう、思いきりの良いトコロもあったなと昔ながらの知り合いとして思いだした。


「佐倉さんばっさりいったねぇ!」

「ね~なんかあったのかな?」


 陽キャな仲間と話し始める相沢さん。

 でもその根本にはまじめな相沢さんがいると思うと人っていろいろあるな、と。

 まぁどっちが本性とかっていう人もいるだろうけど、俺としてはどっちもその人の本性なんだろうなって感じる。それは彼女の努力の証だろうから。


 まあどっちの相沢さんしても話してて面白いし。


 そんな相沢さんは隣で真希の様子を興味津々と、眼を輝かせている。


「そういえば、成瀬君は佐倉さんと幼馴染だったよね、なんか知ってたりする~?」


 茶髪に染めた髪をポニーテールにまとめた、茉莉?さんが話を振ってくる。


「ちょっと茉莉」


 あ、そっか。

 相沢さんは俺と真希の友達がトイレ前で言い争って何かしらあるのを察していたんだった。

 でも茉莉さんは知らないもんな。


「あり?ちょっと聞いちゃいけなかった感じ?」


 茉莉さんが気まずそうに顔を向けてくる。

 だから俺は笑顔で、


「ううん別に大丈夫だよ?でもま、佐倉さんとは幼馴染とは言っても所詮は昔馴染みだしね、最近のことは俺はなにもしらないんだ。ごめんね~」

「あ、そなんだ!まぁ幼馴染なんてそんなもんよね~、うちも幼馴染いたけどいまではたまに挨拶する程度だもん。高校離れるとより顕著だよね~」

「私はいないから分かんないな~、お姉ちゃんと二人だったし、だから憧れるかも、幼馴染」

「恋とかには発展しないん?」

「あ、それは気になる!」


 やばい、陽キャが反応した。

 お目目キラキラだ。


 やっぱコイバナは女子大好きなんだ!


「あんまわかんないけど、発展する場合もあるし、しない場合もあるんじゃない?」

「そりゃそうだけど~」


 なんとも俺としても応えづらいんだよな!

 あるともいえるけどそうなったら真希とのことも言わなきゃいけないし。

 ちなみに本当のことを言うと俺の場合恋に発展した割合は2分の2で100%でした!

 かすみに真希。どっちも恋愛事にはなってるからね。


「んじゃ、HR始めるよ~」


 ちょうどいいタイミングで担任の先生が入ってきた。

 そのままSHRに。


「おー、今日はみんな揃ったな!おーい佐倉お前体調はもういいのか~?」

「大丈夫でーす」

「休んでた時のノートとか見せてもらえよ~、成瀬は……成瀬も最近休んでたか、んじゃ誰かにみせてもらっとけ~」

「はーい」


 あっぶな。

 何あの担任おれにノートもみせようとさせてるのよ。

 今真希にノートみせるとか普通にきついわ。


 かすみとあと真希フレンズの沙里と亜衣にも、真希と話すとはいったけど、ちょっと昨日の件があってから話すのもきついんだよなぁ。

 どうしても思い出すというか。

 真希の顔見たらフラッシュバックしたし。


 まぁ担任も、高校生の一事情なんて知ってる訳もないから担任にこんなこと言うのも酷な話だけどさ。


 ふぅ。


 何とか心を落ち着ける。

 もうおわったこと、おわったこと、おわったこと、と。


 よくよく考えたらねっむ。

 うん、俺は眠い眠い、眠い。


「あ、最後に今日のLHRの時に7月の林間学校に行くときの班決めと詳しい話するから~、内々に考えとけよ~、あ、それともし、ぐだりそうだったりまとまらなかったらくじで決めるから。もうそんなんに時間使うのもったいないし、めんどいから。んじゃそゆことで~」


 と担任は出ていく。

 あーねむいねむい。

 次の授業の準備をしよーと……は?

 いまなんていった、えぇ?!


 林間学校!?

 班決め?!


 なにそれなになにそれ。

 あれ?今までどしてたっけ?


 そういえばそういう時、真希と同じ班だった気が……。

 あれ?でもいまは真希と同じ班なる訳にはいかぬので……。

 あれ?


「あ、やばたにえん」


 詰んだ。

 ふむ不味い。

 これは非常にまずい。

 ど、ど、どする!?


 俺におかげでくじ引きになっちゃうよ!?

 あの担任めぇぇぇ!!!

 そんなんだからガサツで結婚できねぇんだあほ!

 もっと生徒に寄り添え!


「顔青くしてどしたん?」


 俺の尋常ではない様子に気づいたのか相沢さんが、小声で話しかけてくれる。


「……いや〜班決めどしよっかなって」


 努めて軽い感じで話す。

 わんちゃん相沢さんのコネクションを使って俺を無難なグループに斡旋してくれることを祈って。


「あー、入るとこ?確かにみんなある程度決まってそうだもんねぇ」

「そそ、おれそんな仲良い人も居ないし〜、それにほら真希の友達と仲良くないでしょ?いま?」

「あ〜たしかに。いつも佐倉さんとこ入ってたか、んじゃ今君は行き場がないわけだ〜」

「なんとかどこかのグループに斡旋して貰えませんか!」


 うーんと相沢さんは首をひねり一言。


「無理!」


 元気よく言い放った。


「Oh……」


 拒否られた。

 クラスのみんなごめんよ、俺にできることは尽くした。

 でもダメだったのでくじです。

 あー楽しみだな(棒)


「やっぱみんなとの相性もあるからさ、安易にはいれてくれない?っていえないよね~」

「……ですよね~」


 しかも追い打ちつき。

 泣きそうです、わたくし。

 そうだよね世の中そんなうまくいかないよね~。

(´;ω;`)


「でも~他の班には推薦できないけど?ま、まぁ行くとこないっていうなら?わ、私たちのとこなら?いいよ?成瀬君話してみると、面白いし。なんか雰囲気悪くなってもカバーできるし?」


 ちらちらと横目で見て、ツンデレっぽく救いの手を差し伸べてくれる。


「あぁ、あなたがギャル神様か……ありがとうありがとう、林間学校お役に立たせていただきます!」

「うん、でもギャル神様はやめてね?」

「はい」


 相沢さんの目が笑ってない笑顔を初めて見た。


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 お盆ふぃぃぃぃぃいぃぃぃ!!

 休みなのでテンション爆上げでございます。

 昨日はちょっと重めの話だったので今日はライトな感じで。

 思ったんですけど、この話いろんな神様出ますよね、神話かな?


 いつも応援して頂きありがとうございます。

 応援数が1万を超えて、僕の作品にそんな応援してもらったことないので、感無量です!

 星もありがとうございます、1700にもなって、めっちゃモチベになってます!!

 後、感想とかも目を通してます!

 誤字脱字とか助かってます!


 今サポーター様向けにもなんかSSでも書こうかなと思ってます。

 要望あったら教えてちょ!


 ではでは!

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