なんの成果も得られませんでした!
僕が女の子になってからはや1週間が過ぎようとしていた。
何かが大きく変わったことがあるわけじゃなかった。
...変わらない方がおかしいはずなんだけど...?
だってさ?そうじゃない?皆初日以外触れてくんないし...挙句の果てには知らない後輩からは
「あの先輩って女なのに今まで男の制服着てたの?」なんてことを複数人から言われた。そう、複数人から。1人や2人じゃないんだよ?両手の数じゃ足りないぐらい聞かれたよ...
その度に僕が元々男で性別が女の子に性別が変わったことを説明しなきゃいけないのがねぇ...
千尋やお姉ちゃんにはよく
「にぃはうちの学校の中ではかなりの有名人。」
「千秋の本当の性別は?という議論をしている人も見たことがあるわ。」
とのこと。
...冗談きついよね?僕は男だっての。今は女の子になってるんだけど...
この1週間、出来るだけ僕が元の性別に戻るために、調べることはかなり調べつくしたと我ながらに思う。
どんなことをしたのかと具体的な話をすると、まずは病院に行った。一番最初に向かう場所としては正解だと思う。こんな症状聞いたこともないから、色々な科を見て回ったけどどこに行ってもそんな症状は私も初めて、とか男性に流れているDNAがなくて、女性に流れるDNAがある、とか僕の知識量では受けきれないような話を聞かされた。結局要約すると、僕が男だった形跡が見当たらない、とのこと。
つまり僕が男だったことを証明するものが保険証とかの書類以外なくなったみたい。これだけでまじかぁ、って感じだけど僕は諦めずに少しでも手がかりを探し続けた。図書館にも行ったし、ネットに書き込んだりもしてみた。
まぁだれも鵜呑みにはしてくれなかったけど...
結果!なんの成果も得られませんでした!
...はい。なにもそれっぽい情報はありませんでした。
千尋にも
「にぃ、諦めてゲームしよ?」
なんて言われるし、
お姉ちゃんにだって
「まぁ千秋がやりたいのならいいけど、時間の無駄だとは思うわよ?」
と言われた。
まぁそうなんだろうけど...諦めるのは違うのかなぁ...なんて思ってるんだけど。
この体でかなりの時間を過ごさないといけない...
頑張ってこの1週間、僕の性別変化について調べるだけじゃなくて、体に慣れる練習もした。
...どんなことをしたのかは決して言えるような話じゃないので...
「鏡でずっと自分の体を...」
お、お姉ちゃん!?それ以上はだめ!!
はぁ、まったく。油断も隙もないお姉ちゃんなんだから。
でも!僕は諦めない!男に戻る方法を必ず見つけてみせる!
この体で1週間、慣れつつはあるけど、慣れたくはないなぁ、と思う今日この頃の神代千秋でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます