地球が滅亡するので帰らせていただきます

ドラゴン西

第1話 地球が滅亡するので退学させていただきます

学校では成績はいいほうだ。運動だってできなくは無い。

でも良く考えてみると、勝手に自分でそう思っているだけで、他の人からどう思われているか。それは知らない。


この間の中間テストの順位は100人中45番、名前は『スズキイチロー』...

普通科の普通の高校生。普通科というコースさえ鼻に付くほど、『普通』である事に反応してしまう。


そもそも人と比較することに何の意味があるのか。順位をつけてどうしようというのか。

『みんな一番』も『みんな最下位』も、結局『人の比較をしている限り』は

どっちも一緒じゃないか。

違いは自分がどう思うか、どうとらえるかだけではないか。


あまりに人との比較、順位というものが日常すぎて、自分の名前や順位にすら最近では、嫌悪を感じる始末。


何故、まわりと比べて上がいいのか。

そのくせまわりと一緒でないと不安になったりする。


そんな日常に嫌気が差して、『ぶっ壊れてしまえ』と思ったところに

突然、地球滅亡のビジョンが鮮明に見えた。昼寝してたのか?


すべて希望通りなのに、やっぱり『助けなきゃ』『なんとかしなきゃ』と思った。


壊れてしまえも自分、日常を守るのも自分。とりあえず、


地球が滅亡してはいけないので、学校は早退する事にした。


『地球が滅亡するので退学させていただきます』


先生もまわりもきっとふっと思ったであろう一択『精神科』


いや、でも明日地球が無くなるかもしれないのに進学とか興味ないし。








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