第5話 2021/10/12 AM11:18近辺

B 遂にエッセイ・ノンフィクションで八十位まで上がったぞ。


A だーかーら、理性よおまえが跳ね上がってどーすんだ?

 本来は感情の役目だろうが。


B 事実を述べただけだ。


A 客観的に見て俺とお前が入れ替わったような文になっているぞ?


B しかしだなぁ、正直に喜べないのか? 感情よ。


A まだ八十位だからだ、十位以内に食い込んだとかいうなら確かに気持ちとしては嬉しい所に行くだろう、だがそれだけだ。


B それだけ……か、ずいぶん冷静に……薬が効いているのか?


A そうだ大体飲んでから一~二時間ほどで効き始めるからな。


B それで冷静だったのか。


A あと一時間もすれば真の意味で冷静になれるはずだ。


B そうか――。


A ただし、冷静になるだけであってイメージを沸かすとかいうのは無理だぞ。

 あれはむしろハイテンションな状態のほうが捗る。


B しかしそう状態では、記憶があいまいなのだろう?

 無駄に浪費が増えてるのはそのせいだと思うんだが?


A そうだ、自身が意図しない状況で購入をしてしまっているものがあるから浪費が増えているんだが。


B 記憶は無いのか?


A 残念ながら完璧かんぺきではない、それどころか記憶そのものが改変されているような節がある、無意識的にだが……。


B そうなのか? それがマジだとしたらかなり不味いんだが?


A 確かに不味い。

 購入履歴からでしか追えないものが増えているからな、とはいってもクレジットカードやローンをしているわけではなくあくまでもポイントだけの話だが。


B 実害は現ナマのほうか、それも不味いな。

 ポイントは購入しているのだろう? 現ナマで。


A その通りだ、だから預金が少しづつ減って行っている。


B どうすれば元に戻せる? いや制約を掛けられるかが問題だ?


A 今のところひと月に十万位なんだが平均して……。


B それは多すぎる! 三万以下位に下げられないのか!?


A それが出来ればこうやって話してなんかいないわい。


B 何が増えているんだそんなに……、それによって勝手に制限がかかるものとそうでないものに仕分けられると思うが……。


A 飯・飲料系が一割これは確定だ、それに季節ものの衣類が二~四割、それ以外の要素が残りだ。


B それ以外の要素とはなんだ?


A 基本的に一度購入すれば次は壊れるまで買わないものとかだ。


B 衣類や飯・飲料類は仕方が無いが、それ以外の要素がめちゃくちゃ多いな。


A そっちは零~七割と凄いことになってはいるのだが、大抵はルールブックとか定期的に購入している小説とか漫画とかそれ以外に入る道具ツールやMOLLE系の装着用アイテムなどだ、かばんくつなんかもここに入るぞ。


B だから多いのか小説と漫画は多分除外してもいいだろう、現状あがってきているモノを見る限りではそこまで脅威にならない。


A ルールブックは基本一冊あれば足りる、どうせプレイヤーやるだけなのだから。


B マスターはしないんだな? しかし現行あがってきているモノの中でマスターをしたいと心のメモに書いてあるものが二つもあるぞ? どうする気だ? マスターは最低でも物理的に二冊くらいは持ってないといけないのだろう?


A そこはチビチビ考えていけばいいと思ってはいるが、どうせコロナが終息宣言出るまでは動けないわけだし……。


B 靴はともかく鞄はかなりあったと思うが、何が足りてなかったんだ?


A ワンショルダーで十五inchノートパソコンが入るものが無かったから導入しただけだが? まだ届いてないぞ?


B しかしそれは二万もしないはずだろう、なんで十万になっているんだ?


A 今月は付属させて装着するMOLLE系ポーチが多かったからなそれで高くなったんだが……。


B それは全てつけるのか?


A そのつもりだし確認は取れているはずだが、装着物とMOLLEの関係性は問題ないはずだが?


B 来月はどうなる予定なんだ?


A 来月は衣類に八割残り二割でその他を押さえようかと思ってはいる。


B 何を買うんだ?


A 以前から欲しかったモンスターパーカーだが?


B 今住んでいるところでは無用の長物ではないか!?


A ここから移動しないとは誰もいってないが? 旅行ができるようになれば耐寒装備は必須だろう?


B う、それはどこに行くのかにもよるが、体の方は確か寒がりだったよな? それで必要になるのか?


A 確かに体は寒さに弱い、しかもかなり深刻に……。

 冷え性も持っているくらいだからな。


B それは仕方がないな。来月までは認めざるを得ないのか……。

 だがそこまでにしろよ? それ以降は認められないからな。


A そういいたいところだが飲料と補助食品系と麺類は当面そのままだが、いいのか?


B ある程度はいたしかたあるまいだが、実家にいるんだからそこは利用できないのか?


A 無理だな、実家は雨露あめつゆをしのぐための場所ではあってもそれ以上の事はムリはいえん。

 年金生活者にしがみつくのは反則だと思うが?


B 今までにないほど理性的だが、せめてまずは浪費を五万にすることを目指せ。


A 来月は無理だな、モンスターパーカーの別注品だから高いんだ十万は越さないがそれなりに出費する。


B では再来月から実行してみてくれ、ハイ状態のときはなるべく私で凌げ。


A スイッチできないからな? ハイの時にお前に繋ぐのは無理だ!


B それでも出てみるぞ? 意識下に置ければ浪費は減るはずだからな。



TS:2021/10/12-PM00:17


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※この作品は作者の自作自演による葛藤を対話形式にした物語です。

 A:感情 B:理性 ですので地の文がありません。ご了承ください。

 TS:タイムスタンプの略です。この葛藤が終わった時間を掲載しています。

 MOLLE:(モール)とは、「Modular Light Load-carrying Equipment」(モジュラー軽量耐荷重機器の頭文字による略称)で、1997年以降アメリカ軍が採用している個人装備システムのことをいう。


 今回は浪費についての対話と理性からの状況報告です。

 ランキングの順位が上がり八十位にまで上がってしまいました。


 尚、思考時間は約五十九分ほどです。

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