♪焼かないでください

 私の妹は大の化石好きです。幼稚園くらいの頃からその辺の石っころを拾ってはキラキラした目で見つめ、いつしかその対象は、今はなき生き物に変わっていました。


 そして彼女は化石についての本を読みながら、こんなことを言うようになりました。


「私ね、化石になりたい。」


「はっ!?」


 びっくりしました。化石に惚れ込んでいるのは知っていましたが、まさかそれほどとは。


 でも、今日、彼女は悲しそうに「お姉ちゃん」と話しかけてきました。


「なに?」


「あのね、私化石になれないんだって。」


「ん?」


「化石っていうのは文明が発達する前の生き物がなれるもので、文明が発達した時代に生きている私たちはなれないんだって。」


「へぇ〜」


 そりゃ残念。私がそう言った矢先、妹は突如歌い出したんです。


「焼かないでください〜♪」


 文字だけじゃわからないと思うんですけど、これ、かの有名な秋川雅史さんの「千の風」の「泣かないでください〜♪」の替え歌です。


 要するにですね、化石になるには(なれないんですけど)火葬ではなく土葬でないといけないんです。でも、ただ埋めただけだと白骨化してしまうので、貝殻など石灰を入れなければならないんですけど。


 笑いのツボが浅いというか、変なところにある私には大ウケ。どツボにハマりました。


 そういう類の単純なネタが私は好きです


 

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