202 旬の言葉の難しさ。

『倉沢の読書帳。』のほうで、昔のラノベをちらちら読み返す機会ができまして。


すると。


菊池秀行先生、テレビみる場面で「逸見さん」とか「久米さん」とか固有名詞出るんですけど、今読むと注釈が要るよ!(『魔法の鍵』収録「新宿鍵物語」コバルト文庫、1989年)


当時の人間が読むとニュース番組の雰囲気や口調まで浮かぶんですけどね。


エンタメ系の読み物、時間が経つとこういうことがあるからなあ。作家さんのほうも、何年先も読まれるのあんまり想定してなかったのかなあという疑惑も。


翻訳でも同じようなことあって。


ジーターの『悪魔の機械』(ハヤカワ文庫FT、1989年)に、「わかる?」ていう意味で当時瞬間風速的にナウな言葉として使用されて幻のように消えていった「わかりる?」って使われてまして。


しかもここでなんでヴィクトリア朝時代なのに「わかりる?」なのか、ネタバレになるので言えないのですが、ううむ、「わかりる?」で間違いじゃないんですが、まさか注釈がこちらに必要になるとは!


まあ。エンタメとはそんなもんで、自分が生まれた年の娯楽映画観ると、ゲスト出演の旬のアイドル、芸人、軒並みわからないなんて当たり前にありますし、ああ、これはリアルタイムの観客のためのものだったんだなあ、と、黙ってググるんですけどね。そうか。〈ラッキー7〉てポール牧のコンビか。←ポール牧ももはや注釈要るよ。


私は書くのが遅いので、あんまり旬の言葉は使いませんけどね。

書き終えた時にもう古い(笑)


お粗末様でした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る