144 伝承。を、書く。

伝奇的な作品を拝見すると、みなさんいろんな解釈で妖怪や怪奇現象を描いていらっしゃる。そこが見せどころでもあり、面白いです。


拙作『おかえり。あそぼうよ。』は、化け猫が出てきます。


化け猫の設定どうするかなあ、と考えたときに、


油をなめる、は、やめました。


歳を経てしっぽが分かれる、は、『三毛のタマ』でも採用したので、同じにしました。


あと、小学校低学年のとき、夏休みになると怪奇時代劇などこわいテレビ番組をやっていて、その名前も忘れたドラマに出てきた化け猫、無念の死を遂げた主人の血を舐めて、「ニャー!(怒)」という場面があったような気がするんですけど、それもこわいからやめました。


さあ、あとはどうするか。


YouTubeで配信されてた『怪猫呪いの沼』等々から、DVDの『怪猫トルコ風呂』まで数本の化け猫映画を参照したところ、


(猫、人間の怨念に巻き込まれて化け猫になって暴れてるけど、たぶん当人(猫)、訳わからずやらされてないか? 気の毒……)


という疑惑がわいてきたので、人間の念がかかわる設定にしました。


自分の解釈を伝承に加えていく作業は、けっこう楽しいですね。また別な妖怪も考えてみたいです。

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